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北京龍泉寺に見る伝統と現代(下)

2013-08-09 16:12:59     cri    

■龍泉寺見て歩き記

 北京の西北郊外にある鳳凰嶺あたりの山間地帯は、古くから修行の場とされ、やはり遼代に建立された大覚寺を始め古刹が点在しています。しかし、現在も僧侶がいて、仏教活動が行われているのは龍泉寺だけのようです。
 車が山門に近づくと、紺色の作務衣を着て一丸レフカメラを手にした女性が迎えてくれました。メディア担当の張暁東居士です。一方、歴史の重みを色濃く残す山門では、和尚さん2人が微笑みながら待っていて、雨が降っていたので、車を降りるとすぐに大きな傘を差し伸べてくれました。

 「ようこそお越しくださいました」
 なんと流暢な日本語が聞こえてきました。メガネ姿の若い僧侶は日本の仙台にある東北大学で社会情報科学博士を取得した賢屈法師です。お隣は翻訳部主管の賢清法師(西南交通大学で博士号取得)。監院の禅興法師はこの日は、諸業務に追われて多忙のため、朝ショートメッセージで、取材の段取りと代わって応対するお2人の名前と連絡方法を送ってくれました。

 真っ先に通されたのは、入り口に「仁愛慈善基金会」、「北京市復興大国学文化基金会」、「北京師範大学人文宗教高等研究院龍泉基地」と3つの看板が掲げられた四合院でした。

 ここは2006年に発足した民間慈善団体の本部所在地です。創設者は仏教徒で学誠大和尚の弟子でもあり、龍泉寺とのかかわりが深い方。傘下には、各分野の専門家をはじめ、おびただしい数のボランティアがいて、自然災害時の緊急救援や再建の継続的な支援のほか、北京市内の3カ所で毎朝、暖かいお粥を通行人に無料で提供する社会奉仕活動も行っています。

 

 基金会副秘書長の鐘さんは若い女性です。敬虔な仏教徒である母親の影響で以前から仏教に興味はありましたが、大学卒業と共に住み込みのボランティアとして龍泉寺に入り、基金の活動をするようになりました。
 いざという時、速やかに慈善活動や救援が展開できるのは、龍泉寺の強力な組織力と行動力、そしてそれを支える優れた情報発信力です。映像制作や出版に続いて、住職の公式ブログ(2006年2月)、寺院の公式サイト(2008年8月)、そして2年前に開設した住職の公式ミニブログ(2011年2月)など、その時その時の最先端技術を抵抗なく取り入れています。ブログやミニブログでは閲覧者からの質問も受け付けており、学誠大和尚が直かに回答しています。
 最近は、「ブログ」(長い文章の掲載)と「ミニブログ」(140文字以内のつぶやき)の中間にある新ツール「ライト・ブログ」(「軽博客」)も開設し、キャラクターの登場するオリジナル漫画1枚に短い警句をつけて、毎日更新しています。また、言語も中国語のほか、内外のボランティアの手で英語、日本語、韓国語など8種類の外国語にも翻訳され、同時に発信されています。

 出版とも連動しています。インターネットで毎日掲載されているこうしたコンテンツが定期的に出版されています。書棚には数十冊ものシリーズ叢書『和尚 博客』がずらりと並べられており、中国語と7カ国語の訳文が併記された『龍泉寺の365日』も2011年版に続いて、2012年版が現在印刷に入っているということです。


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