私たちの勤務する中国国際放送局は、地下鉄一号線の八宝山という駅の近くにあります。でも、駅を下りて見回してもどこにも山は見えません。山と言っても海抜わずか103メートルと言いますから、普通に歩いていてもまったく見えませんが、CRI日本語部のある13階からは、なだらかな丘という感じの八宝山が良く見えます。
CRI日本語部から見た八宝山
この八宝山には大きな墓地があります。もともと明代から続くお寺があったところに、新中国成立後、墓地を築いたのだそうです。だから、北京市民にとって八宝山はお墓の代名詞で、「八宝山に行く」と言うと「墓に入る」つまり命を落とすという意味になるのだとか。
墓地の近くの交差点には「人民公墓・革命公墓」という大きな看板が
中国では毎年4月4日、清明節の日に墓参りに行きます。春になって暖かくなったらまずはご先祖のお参りに行くというのは、日本の「春のお彼岸」とも通じるものがありますが、去年のこの日、八宝山墓地の見学に行ってきました。
革命公墓の入り口
八宝山墓地は、南麓に国家に貢献した人たちの入る革命公墓、西麓に一般市民の人民公墓と分かれています。まずは革命公墓に行きました。
革命公墓:森の中の落ち着いたたたずまい
屋外の墓地には、名前を聞いた覚えのある人たちの墓碑が並んでいます。今や観光名所の一つで、中国の人たちもたくさん見学に来ています。納骨堂には壁面にいっぱい名前が刻まれています。どれも誇らしげに胸を張っているようです。
革命公墓の納骨堂
人民公墓入り口
一般市民の墓地・人民公墓には、今年の清明節に行ってきました。こちらは雰囲気ががらりと変わります。墓を掃除する人、携帯電話で墓の写真を撮る人、墓碑の文字に新しく色をたす人、そして墓の前でじっと座り続ける人…。いろいろな人生といろいろな思いが漂っているように思いました。(大野清司)
中国の墓地はどこか明るくハデな雰囲気
果物や菓子、タバコ、酒などを供えるのは世界共通
地獄の沙汰も…というわけで何と1000億元、50億元の札束
墓に文字を書き込む人びと
墓参の度に新たに書き加えている墓
両親の墓か、じっと座り続ける人
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