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日本人スタッフのつぶやき236 冬のソナタ?

2013-03-14 11:58:59     cri    

 春節前のまだ寒さの厳しい日曜日。日本語部の仲間が同僚の新しい家に遊びに行くというので、一緒に行ってきました。

 最初に行ったのは南西郊外のTさんの家。Tさんはすでに自分の住宅を持っているのですが、90年代の建築で水まわりが悪く、しょっちゅう漏水するので新しい家に買い換えたのだそうです。

 CRIで集合して、車で田園地帯をかなり走って行くと突然大ビル群が出現してビックリ。それがTさんの家のある街でした。


数十棟のビルを建設中

 と言ってもTさんの家はまだ出来ていません。2014年完成だといいますから、住めるようになるのはまだ大分先。実際、「あれが…」と差す指の先を見たら、コンクリートむき出しの建物があって、確かにまだ1年や2年はかかりそうです。同じ一画だけでも10棟以上のビルを造っていて、とにかく見渡す限り工事中。街そのものを猛烈なスピードでつくっています。


Tさんの家がある2014年引き渡し予定の住宅棟

 ここには地下鉄の延長の都市交通が延びてきていて、駅までは徒歩5分ほど。電車に乗れば都心まで1時間足らずで行けるといいます。これまでの2環路、3環路といった北京市内から見るとずいぶん遠く感じますが、私はサラリーマン時代、東京の自宅から会社まで1時間半から2時間かけて通勤していましたから、それに較べればずいぶん近くに思えました。

 駅の周辺部分はすでに何棟か住宅が完成しており、実際に住んでいる人もいます。


完成して人が住んでいる一画

 モデルルームもありますが、ロココとかバロックとかいうようなヨーロッパ風の内装と家具を見ると、実際こんな家に住むのは落ち着かないんじゃないかと余計な心配をしてしまいます。でも、結構、中国の皆さんはそういうインテリアが好きみたいで、北京では大きなイタリア輸入家具の専門店が何軒も支店を出しています。ただし、少し前にイタリア製と言って売っていた家具が実は中国で作ったものを一度イタリアへ運び逆輸入していたことが発覚して話題になっていました。


モデルルーム内部


完成後の巨大ニュータウンの模型(小さいブロック一つ一つがビル)

 家が出来たらまた遊びに来ましょうと言って、次のBさんの家に向かいました。

 最近都心から引っ越したというBさんの家は、Tさんの家からさらに西へ行ったところ。低層マンションと高層ビルが数十棟建ち並ぶ結構な規模の街でしたが、こちらは建物そのものもまるでヨーロッパのようでした。


低予算ドラマの撮影に使いたくなるような疑似ヨーロッパの街

 Bさんの案内で家の周辺を散歩しましたが、外を歩く人がほとんどいないのも冬のヨーロッパのようです。これならヨーロッパへ行かなくても、ここでヨーロッパを舞台にしたドラマが出来るね、あそこをペ・ヨンジュンと誰かが歩いたらホントにいい画が撮れるよ!などとバカなことを言いあったりしていました。

 ただし、商店街らしきところに行くとやはりここは中国ですが、店にも人がほとんどいません。


閑散とした商店街を見ればやはり中国

 とにかく何十棟もある住宅ビルにほとんど人が住んでいないのです。おそらく大部分、投資用に買った物件で、持ち主はじっと値上がりを待っているのでしょう。猛烈な勢いで値上がりする不動産はどこの貯蓄よりも金利がいい金融商品で、いわば街中が高利回りの銀行預金のようなものです。そう思って見回すと、静かなヨーロッパ風の住宅街がとたんに札束に見えてきました。

 ここは鉄道の駅もなく、通勤は車を使うしかありませんから、普通の生活をしている人が住むにはなかなか厳しいところです。都心まで車で順調にいけば1時間ぐらいで行きますが、渋滞すればどれぐらい時間がかかるか分かりません。

 以前、やはり北京の西郊外で人っこひとり住んでいない別荘地を見たことがあります。

 日本では別荘というと湖や白樺林に囲まれているようなイメージがありますが、こちらの別荘地は山または山に近いところに低層住宅がビシッと立っていて、まわりに森や湖があるわけでもなくちょっと不思議な気がしていました。初期の頃は、郊外に別荘を買った人が週末や連休中に別荘でのんびり過ごすという話しを良く聞きましたし、市内で春節の花火・爆竹が市内では禁止されていた頃は、わざわざ花火を打ち上げるために別荘に行くと言う人もいました。

 ただ先日見に行った別荘地は周囲の環境がいいとはお世辞にも言えないところなのに、第一期工事はすでに完売。でも、どの部屋にもカーテンが掛かっていませんから、人が住む状態にはなっていないのでしょう。それでも、何百戸もある第一期は完売、第二期工事が進んでいるというのは何とも不思議な光景でした。

 そこに較べればBさんの家のある街は、まだ何人かは人が住んでいますし、ぽつりぽつりとは言え商店もありますから、まだいいのかもしれません。

 それに何よりBさん自身はこの新居を気に入っているそうです。Bさんは、少しの音でも眠れないので、都心はうるさくて困っていた。ここは本当に静かなのでぐっすり眠れる。大野さんもどう?家賃も安いよ!と言って勧めてくれました。確かに、静かさだけは本物だと思いますが、車のない私はどうやって放送局まで通えばいいの? ま、いずれ隠居して通勤がなくなったらね…と返事しておきました。(大野)

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