低層住宅は足場を組みネットで囲って工事を始めた
11月も中旬になり毎年恒例の暖房の話題です。
北京市の地域暖房は毎年11月15日からと決まっていますが、ここ数年ずっとほぼ1週間早く始まっています。最初の年は空港が閉鎖されるくらいの大雪が降って早まったのですが、その翌年も次の年も大して寒くないのにやはり1週間早く始まりました。
私はこれはきっと北京市政府の北京市民に対する気遣いに違いないと密かに思っています。だから、今年も早く始まるのではないかと予想していたら、10月末に早々と「寒波が来るので暖房を1週間早く始める」という発表がありました。
ところが実際に寒波が来たのは11月3日。山間部では大雪で不幸な事故が起きた日ですが、市内は強風にあおられ強い雨が降っていました。私はその日夜10時まで勤務でしたが、仕事を終え部屋に戻ると、「ホワッ」と温もりがあります。「おっ!来た」と思い、スチームの鉄管に触るとほんのり暖かい。なんと今年は10日以上も早く暖房が始まったのです。
というわけで例年、1年で一番つらい時期が今年はほとんど感じないですみました。
60、70年代に建てられたレンガ作りの建物に断熱材を貼っていく
ちょうどその頃、私の住む団地では十数棟同時に大規模な工事が始まりました。貼り紙によれば、壁に断熱材を貼りつける工事だとのこと。北京の建物はレンガやコンクリートの壁が結構厚くてそれ自体断熱効果があると思うのに、今さら外に断熱パネルを貼ってどんな効果があるのかと思いますが、おそらく地域暖房のコスト削減で十分元が取れるということなのでしょう。
4~6階建ての低層住宅は足場を組みネットを張って、下から順に断熱パネルを貼っていました。私の住む20階建てのビルはどうするのかと思っていたら、こちらはゴンドラを吊り下げて作業しています。
20階建ての私のアパートはゴンドラで 灰色が断熱パネルを貼った部分
見ているだけで足がすくむ
この写真は2日ほど前に撮ったものですが、今日カーテンを開けたら窓の外に作業員の顔があってびっくりしました。結構、早いペースで工事は進んでいます。
灰色が断熱パネル 手前のテントは作業員の宿舎
ところで、この作業をしている人たちは、団地内の公園にテントを立てて泊まり込んでいます。みな地方から出稼ぎに来ている人たちで、こういうテントが6つか7つ立っています。
工事の作業員が寝泊まりするテントには衛星テレビのアンテナも
ところで話題変わって、昨日の夜10時ごろのことです。部屋のドアを誰かがドン!ドン!ドン!と叩くので、こんな時間に何だろう?と思って、ドアののぞき穴から見るとヘルメットをかぶった何人かのグループがいました。どうやら強盗の類ではないようなので(夜、強盗に入られた人がいるので一応警戒しています)、ドアを開けるとボンベを背負い斧を持った消防士たち。一瞬、ドキッとしました。
「むにゃむにゃむにゃ(私にはちんぷんかんぷん)!だから部屋を見ていいか!」と有無を言わさぬ感じで大声で言います。「どうぞ!どうぞ!」と招き入れると、ドタドタッと長靴のまま室内に入り、全室を見て火の気がないのを確認して、またドタドタッと出て行きました。
どうも119番通報があったのに火元が分からないということで見て歩いていたらしく、窓から下を見ると消防車が2台アパートの入り口に来ていました。暗くて写真が写らないのが残念だなあと思って眺めていましたが、あれがホントの火事だったら10階からどうやって逃げるんだ?と今になって怖くなってきました。でも、まあ火事じゃなかったんだから良かったね…と、すぐそんなこと忘れて、のんきにこんな事を書いています。何ごともちょっと鈍いくらいの方が幸せに生きられるみたいです。 (大野清司)
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