これからの中日交流を支える若者たち 第六弾
さて、今週の「コレ若」シリーズ第六弾は、安藤さんのアトリエ兼住居でもある中学校を訪ねました。安藤さんのこれまでの作品を一気に大放出です!
第三回 水墨画家・安藤美香さんのアトリエを訪ねる
(中学校の活動室を利用したアトリエ)
安藤さんのアトリエは、韓美林美術館から徒歩十数分の中学校にある。採光の良い広々としたアトリエの壁には、数々の作品が所狭しと貼られている。
中学校は今夏休み。新学期になって生徒たちの活気であふれるだろうこの場所で、画家がひたすらに制作活動を行っている…と、そんな情景を想像しただけで何か心が温まる想いだ。
(壁に貼られた作品たち)
中原:好きなテーマってあるんですか?
安藤さん:基本的に、植物、動物がすきでよく書きます。言葉は喋らないけどその1つ1つに命があって、そう言った物を見てると、書きたい!という衝動にかられます(笑)。
中原:命を描くって、とてもこう…心に響く表現ですよね。
安藤さん:目に見えないもの、その物の奥にある精神的なものや生命なんかを表現したい。それが私の持ち味だと思ってます。
(表装前の動物たちの作品)
作品を見せていただくと、実に多様な表情の動物たちが次々に飛び出してくる。
表装前の作品からでも滲み出るどこか郷愁のようなゆったりとした生命の息吹が、安藤さんの人柄にもリンクする。
(飼っていた猫をモデルに描いたという猫たち)
中原:どのくらいのペースで描かれてるんですか?
安藤さん:基本的に、時間がある時は、書くようにしています。午前中は書を書いて、制作はだいたい午後から始めます。
(一時期桜を描くのにはまっていたそうだ)
正に水墨画漬けの毎日。この北京郊外にある中学校に拠点を移してからは、そうそう外出することも無いと言う。
安藤さん:ちょっと買い物ってわけにもいかない場所なんです。隣ではもう鳥が鳴いてるわ羊が居るわ、人より動物が多い場所ですから(笑)。
窓の外を覗くと、北京市内では見たことも無い鳥が中学校に隣接する蓮池を飛び回る。
外の移動は、タクシーよりも三輪自動車。
地下鉄の駅を数個隔てただけで、街の様相はまるで違う。
(日本画の要素をふんだんに取り入れた作品)
中原:これまでたくさん絵を描かれてきたと思いますが、心に残ったエピソードなんかはありますか?
安藤さん:前回地元(長野県)で展覧会をやったんですけど、その前に北京の瑠璃城っていう水墨画の画材とかが売ってる有名なオールドタウンに、知り合いの中国人の画家に連れられて行ったんです。そこにその画家の行きつけのサロンがあって。その時に偶然その場に居た魯光先生っていう結構もう御年の画家とその他に10人ちょっと画家が居て。中国って結構その場で字を書いたりとか絵を描いたりとかして、その場で自分の度量を測るじゃないですけどそういう伝統があるんですね。その時も魯光先生が、せっかくこういう場だから、私と一緒に合作する人は居ないかっていう風に声をかけたんですね。でも、皆やっぱり自信が無いというか「いやいや、かけない、かけない」って感じだったんです。私もそんなすごい画家となんて無理ですって思ってたら、私を連れてきてくれた画家に「今描かなかったらもうチャンスは二度とないよ、どうする?描くか描かないか、自分で決めたら良い」って言われて。で、せっかくこんなチャンスがあるんだったら、もうダメ元で描いてみよう!って思って。「じゃあ私描きます!」って言って。最初に私が一番描き慣れてる実家に居る黒い猫を描いて。で、その後先生が自分の得意とされてる題材のひとつの魚を描いたんです。私が「もうすぐ日本に帰って展覧会をやるんです」っていうお話しをしたら、すごく日本とも交流の深い方で、だったらこの絵を日本の展覧会に持って行って飾ってくれって言ってくださって。その後も何度かその先生と会う機会があって、「きみは本物の画家だよ」って言ってくれて、すごく嬉しかった事があります。
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