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日本人スタッフのつぶやき39

2011-05-16 11:39:40     cri    

生活の中に溶け込んでいる日本

 皆様、こんにちは。今日は、中国の中に溶け込んでいる日本というテーマでつぶやいてみようと思います。10年の中国生活で感じたことは、中国の一般市民レベルでも日本が身近になってきたということです。どういうことかと申しますと、スーパーの中で、日本のものや日本語がちらほらとみられるようになり、日本が身近なものになってきました。

 日中関係の本をひもときますと、「日中両国は一衣帯水の隣国である」と書かれています。これまでのつぶやきでも、日本と中国は文化的に似ているところがあると述べてきました。それは、理屈では分かっていますが、政治的要因など、いろいろな影響を受け、一般市民レベルでは、日本もしくは中国を感じられることが今まではなかったように思えます。しかし、2006年10月の安倍元首相による中国訪問、いわゆる「氷を割る旅」以来、日中関係は好転に向かい、スーパーなどにも日本製品が見られるようになりました。

 よく見られるのは、「の」をつけたものです。中国語で「の」に相当するのは「的」です。まあ、「の」をつけると見映えがいいのかも知れませんね。スーパーでよく見かけるジュース、「鮮の毎日」。ぱっと見たら、間違いの日本語ですね。正しい日本語にすれば、「新鮮な毎日」でしょうか。まあ、長すぎると覚えられませんし、インパクトを与えるという面を強調して、おかしい日本語でもいいとしたのでしょうか。ある中国の大学生によると、それはひとつのファッションだということです。意味が分からなくてもいい、外国のものをつけていると、何かかっこいいというのです。それは、私たちが、英語の意味が分からないのに、英語のプリントのついたシャツを着るのに似ていますね。  

 最近は、どら焼きやせんべい、うどん、日本式のラーメンなど、中国で生産された日本のものが売っていますが、パッケージに書かれている日本語は文法上正しいものが多くなりました。一時期は、本当に誤解を招くものもありました。例えば、6年前、スーパーで「マヨネーズパイ」という字が目に入りました。パッケージの写真は、ふつうパイです。「本当にマヨネーズが入っているのか。中国人は、本当にすごい発想力だな。」と心の中で感激していました。しかし、実際に買って、味わってみると、それは何の変哲もないカスタードパイでした。よく考えてみると、中国語でマヨネーズのことを「蛋黄酱」といいます。カスタードも卵の黄身を使いますから、翻訳した人は、マヨネーズだと思ったのでしょうか。分からないなら、別に日本語にしなくてもよかったのですが、それはやはりかっこよさを追求したからだと思います。

 先進国のものを持っていると、かっこよく感じる。これは、どこの国でも見られる現象です。日本も欧米諸国の背中を追いかけていた時、やはり欧米のものに憧れました。中国にとって、日本という国は、いち早く工業化を実現し、戦後も急速な経済発展を遂げ、世界第二位の経済大国にのし上がった、というイメージがあります。ですから、日本のものはすばらしいという観念ができ、日本語で書かれたものを持っているとかっこいいと思うのでしょう。

 また、中国のスーパーなどで日本のものがよく見られる理由は、文化的側面も無視できません。現在、中国国内では、日本のドラマやアニメなどをインターネット上で見ることができ、普通の人でも日本に触れることができます。それらを通じて、日本のものに興味をもったため、日本製品に対するニーズが増えたのだと思います。

 どんな形であれ、日本のもの、もしくは中国のものに興味を持ち、もっと知りたいと思うことは、市民レベルでの日中関係にプラスとなると思います。このレベルでの両国の関係も政治関係の影響を受けるという面はあります。しかし、政治関係はどうであれ、自分はもっと日本のもの、中国のものに触れてみたい、そういう傾向が続くならば、日中関係の見通しは決して暗くはないと思います。お互いの国のものが、両国国民の生活に完全に溶け込む、そんな日が来れば、日中関係はかなり進んだといえるのではないでしょうか。(吉田陽介)

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