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大平正芳元首相生誕100周年、北京で記念イベント

2009-10-25 22:32:11     cri    

 中日国交正常化の功労者・大平正芳元首相生誕100周年の記念シンポジウム及びその著作集『永遠の今に生きる』の中国語版発刊式は24日、北京外国語大学にある日本学研究センターで開かれました。大平正芳生誕100周年を記念するDVD『大平正芳の足跡』の放映や、同センターの卒業生を対象にした「第五回日本学優秀論文賞」の表彰式も同時に行われました。

  大平正芳記念財団、四国華僑華人連合会、香川県宇多津町国際交流会などから代表者が参加し、大平正芳の郷里である香川県からは真鍋武紀知事がメッセージを寄せました。

 シンポジウムでは、「大平正芳と日中関係」をめぐり、中華日本学会の劉徳有名誉会長と早稲田大学の毛里和子教授(写真下)が基調講演を行いました。劉名誉会長は、中日国交正常化及び中日航空協定の締結、その後の中国の改革開放と両国の文化教育交流における大平正芳氏の功績を、自らの取材体験や大平首相の北京講演会(1979年)などに基づいて振り返り、高く評価しました。

  毛里教授は中日国交正常化の動きを当時の世界情勢の中で振り返り、対中国円借款を決めた大平政権の対中政策が中国の国際社会参入に対する意義、大平氏による環太平洋連帯構想の現実的な意義などを分析し、今後、多国間レジームにおける中日関係の建て直しを提案しました。

 基調講演後、「大平総理記念論文賞」の選評と表彰式が行われ、北海道大学の田凱特別研究員が特別賞(テーマ:大平正芳の環太平洋連帯構想)、清華大学の劉永江教授(テーマ:大平正芳と中日関係)、中国社会科学院世界歴史所の張躍斌副研究員(テーマ:大平正芳の新保守主義政治思想と中日関係)、上海外国語大学院生の周明麗さん(テーマ:大平正芳の楕円哲学と中日関係)が優秀賞にそれぞれ受賞しました。

 中国社会科学院日本研究所の李薇所長が選考委員会を代表して発言し、「偉大的な歴史人物を記念する意義は、その人物を通して、当時の時代とその時代がもたらしてくれる遺産を見直し、そこから今後のヒントを得ることにある」とし、大平正芳研究の歴史的意義と現実的意義を改めて強調しました。

記念論文賞受賞の皆さんと記念撮影に立つ元首相の孫で、大平記念財団の
大平知範評議員(左三)と劉徳有中華日本学会名誉会長

 大平正芳生誕100周年記念に向け、著作集『永遠の今に生きる』(中央編訳出版社、中国語題『活在永恒的現在』)が3年の準備を経て、10月に中国で出版されました。当日に行われた発刊式では、出版社代表者は「中国では毎年10万冊の新刊が発表されているが、この中でも、この本は上出来の図書だと自信をもって言える」と語りました。

  なお、北京日本学研究センターは、大平元首相が1979年訪中した際、中日政府が調印した文化交流協定の協力プロジェクトの一つである「北京日本語研修センター」(通称「大平学校」)を前身とし、中国教育部と国際交流基金の協議により1985年に開設された教育研究機関です。これまでに日本語教師の研修コースと大学院コースで計1500名を養成しました。

 大平記念財団によりますと、大平氏の誕生日にあたる来年3月12日、東京でも記念レセプションを開催する予定ということです。(王小燕)

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