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【特別寄稿】 「学生同士の交流が一番の成果」

2009-10-20 20:24:56     cri    

 日中友好協会京都府連合会と西安外事学院との交流事業

 10月10日、北京で開かれた第2回中日韓サミットでは、三国の指導者は「人と人の交流の拡大」、「特に友好的青少年交流や大学間交流を引き続き行う」ことを盛り込んだ「共同声明」を発表しました。
 
交流の拡大には何よりも日ごろの積み重ねが大事と言えます。北京放送のOGで、日中友好協会京都府連合会で常任理事をしている吉村澄代さんは先月、西安で行われた同連合会と地元の私立大学・西安外事学院との交流会の様子をリポートにまとめました。活気溢れる現場の雰囲気が伝わりそうです。

 西安外事学院は、西安市に1992年に開学した私立大学です。在校生数36000余人、教職員数2430人を擁する大学で、近年数多く設立されている中国の私立大学ですが、その多くが経営がいまひとつとされている中では、もっとも成功している大学と言われています。  

出迎えを受ける

全員で記念撮影

 古都西安の西ハイテクエリアにあるその大学を、9月2日、西安市と友好都市関係にある京都市の日中友好協会京都府連合会の代表団9人が訪問しました。同協会はこの大学とすでに3年前から交流活動を続けています。これまで毎年大学の日本語科に日本語の書籍を寄贈してきており、大変喜ばれています。今回は、同志社大学の経済学部の横井和彦准教授とその学生たちが参加したこともあり、現在、日本の大学生が読んでいる小説や雑誌、大学生が勉強する経済学の書籍などが持参されました。学院の国際交流センターの饒篤釣主任が中心になって準備された寄贈式には、陝西省人民対外友好協会の程津慶友好交流部副部長をはじめ学院の日本語科の先生方や学生たちが大勢出席してくれました。

書籍寄贈式

寄贈式会場で

  今回の代表団の歓迎には、団員の一人一人に2~3人ずつの学生がついて、グループごとに学内を案内してくれることになっているようでした。もちろん自分たちが勉強している日本語を実地に使う練習となっています。最初に案内されたのは、学生の寄宿舎です。1室に4人の割り当てで、それぞれ各部屋に簡単な台所と洗濯場もついています。電子レンジなども備えてあるのにはびっくりしました。中国の大学の学部生の寄宿舎は一般に8人部屋が多いのですが、4人部屋というのは恵まれています。一人一人の学習スペースもゆったりとしています。

宿舎を見学

広々とした図書館

 図書館はとても立派なもので、新学期が始まったばかりだというのに、閲覧室も自習室も学生がいっぱいで、みんな静かに勉強しています。教員専用の読書室が設置されており、いわゆる工具書と言われる各国語の辞書・法規集・百科事典・各種年鑑などが豊富に揃えてありました。

 学生食堂も明るくて清潔で、なかなか充実しています。とても暑い日だったので、どのグループも最後にはここにきて冷たい飲み物等でちょっと一休みしています。このとき外事学院の学生たちはそれぞれの団員に用意してきた可愛らしいプレゼントをくれました。その心遣いにまたまた心が温かくなりました。来年は日本側もなにか持って来たくなりました。

各地方の料理が並ぶ学生食堂

スポーツを楽しむ学生たち

 これだけ施設が充実している大学なので、学費はいくらぐらいかちょっと心配になり聞いてみると1年で9000元とのことでした。国公立の地方大学が6000元ぐらいですから、私立大学だけにかなり高額です。学生も西安近辺からだけでなく、黒竜江省、遼寧省、吉林省、天津市、河北省、湖北省など遠く全国からも来ているようです。

 学内見学の後は、夕方から学内のレストランで大学主催の交流懇親会が行われました。各テーブルではいろいろな交換風景が展開しています。多いに飲んで食べて盛り上がっているテーブルもあれば、まじめにそれぞれ自己紹介を行っているところもあります。このような交流活動の中でも、中国の学生は積極的に日本語を使おうとする意欲があるのには本当に感心します。彼らは、在学中に日本語検定2級を取得するのが目標だとのことです。将来の夢を語ってもらうと、ほとんどがやはり日本語を生かした職業に就きたいといいます。多いのが通訳、日本企業への就職などですが、日本に留学したいという学生も少なくありません。学位を取って大学の先生になりたいという希望もあります。現在、中国では大学生の就職難で、彼らの前途もかなり厳しいことが予想されますが、それでも目をキラキラ輝かせて自分の夢をしっかり語る姿には、この国の若者にはまだまだ未来への信頼があることがわかります。若者が希望をなくしている社会になりつつある我が国を何とかしなくてはと心が引き締まりました。

カンパーイ!

仲良くハイ!チーズ

  交流会の最後は、日本人大学生を囲んでそれぞれ学生同士が仲良く写真を取り合っています。若者たちのこのような風景を見ていると、改めてこの交流事業をさらに発展させることがいかに大事かを痛感しました。

お別れに記念撮影

みんなで撮影しあいっこ

 ちなみに、交流会の後、西安が初めてという同志社大学の学生二人に感想を聞いてみました。二人とも中国人大学生との交流から大きな触発を受けたと言い、良い交流ができたと話しています。教え子たちの感想を聞き、今回訪問団の団長でもある同志社大学の横井和彦准教授は、「学生同士が有意義な交流ができたことが一番の成果だ」とこの交流事業を高く評価しています。

【鈴木まり子さん】今まで、中国の大学生のことはちょっとした知らなかったですが、今回は現地で学生と話をし、または寮を実際に見学させてもらって、普通ではできないことを体験できて楽しかったです。日本の大学生と違って、中国の大学生はほんとに真面目に勉強について考えていることを知り、感動しました。帰国後、自分の見聞と感想を周りの人たちと共有していきたいと思います。

【塩川真由さん】全員寮生活をしていることに驚きました。寮の部屋には机とベッドしかなくて、ほんとに勉強のために大学に来たのだと良く分かり、びっくりしました。自分ができないことが多くて、これから自分も頑張っていけたらいいなと思っています。帰ってから、友達にも今回の経験を話して、中国に対する関心を深めてもらいないと思っています。 (吉村澄代)

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