馮小剛(フォン・シャオガン)監督の最新作『一九四二(Back to 1942)』が、今月9日から17日にかけて開かれた第7回ローマ国際映画祭コンペティション部門に出品され、11月11日にサプライズフィルムとして初公開されました。最高賞は逃したものの、この映画祭の併設賞であるThe AIC Award=撮影賞とゴールデン・バタフライ賞を受賞しました。これをきっかけに、監督・馮小剛(フォン・シャオガン)をはじめ、主演の張国立(チャン・グオリー)や徐帆(シュイ・ファン)、そして、脚本を担当した小説『一九四二』の原作者・劉震雲がローマに駆けつけ、記者会見を行いました。
今回の記者会見でCRIの駐ローマ記者も馮小剛(フォン・シャオガン)監督にインタビューしてきました。フォン監督は映画化までの道のりについて「原作は、ルポルタージュといえるでしょうか?普通の小説とは違い、すぐ分かるような主人公もストーリーもありませんでした。この作品の映画化をめぐって私は業界の知り合いを呼んで座談会を開きましたが、結局、映画化は不可能だ!やめたほうがいいと言われました。しかし、劉震雲さんは『不可能を可能にすることが大きな意義を持つんだ!』と私に言いました。そして私も劉さんに『私たちは不器用だから、映画化するために時間をかけて、作品に描かれた一人一人の歩く道を原点からたどるしかない。たどりながら脚本を一緒に完成させよう』といいました」と振り返りました。
また、映画の捉え方について小説の原作者・劉震雲さんは「映画は、同じ歴史に対しさまざまな視点から描いています。アメリカ人記者の視点、避難者の視点、中国政府の視点、宗教の視点、日本人の視点など、こんなに多くの視点で撮るのも珍しいことですね。また、映画の中で、こういったさまざまな立場に立つ人々は同じ災難に巻き込まれたものの、直接かかわっていませんし、顔も合わせていません。このような設定こそ映画の見所の一つではないかと思います」と話しました。
映画の中で40年代中国農村の女性を演じた女優の徐帆(シュイ・ファン)は今回の役どころについて「最初は『一九四二』に描かれた歴史について詳しく知りませんでした。撮影は、自ら経験したかのようにとてもリアルでした。今回の出演を経験したからこそ、今の自分の生活をより幸せに感じられるようになりました。今回の役を演じるには、今までの経験や演技をすべて切り捨てなくてはなりませんでした。"まっさら"の状態でこの役と立ち向かわなければいけなかったので、役者にとって洗礼を受けたような気がしますが、とても貴重な経験になりました」と語りました。
この20年の間、数々の商業映画をとってきた馮小剛(フォン・シャオガン)監督、今回の作品は今までの商業映画とは一味違う作品になるかもしれませんが、「商業映画の製作で積み重ねてきたすべてを賭けた作品」として、フォン監督自身も大きく期待しているようです。この作品『一九四二』は来週11月29日に全国で公開されます。ぜひご期待ください。(ミン・イヒョウ)
【映画について】
中国映画界きってのヒットメーカー、馮小剛(フォン・シャオガン)監督X現代中国屈指のベストセラー作家、劉震雲との強力タッグによる歴史大作が遂に誕生!
劉震雲の小説を原作とし、そして、馮小剛(フォン・シャオガン)が「生きているうちにぜひ映画化したい作品」として18年間をかけて暖めてきた最新作『一九四二』が今月29日に封切られます。舞台はタイトル通り、抗日戦争末期1942年の中国内陸部=河南省、飢餓地獄にあえぐ数千万もの省民の姿を描いたルポルタージュ的物語で、2億1000万元(約26億円)が投入された超大作です。出演は、陳道明(チェン・ダオミン)、張国立(チャン・ゴォリー)や張涵予(チャン・ハンユー)といったトップ俳優に加え、『ショーシャンクの空に』などで知られるハリウッド・スターのティム・ロビンス、『戦場のピアニスト』のオスカー俳優、エイドリアン・ブロディと海外からも豪華スターが出演しているほか、フォン監督の妻・女優の徐帆(シュイ・ファン)も脇を固めています。
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