中国最大手のポータルサイト「百度」の検索アクセス数で集計したランキングは、中国芸能界の全体の動きが分かる結果を示しています。
今週の中国で注目度の高い映画・トップ3は以下のとおり:
3位、『バイオハザードV リトリビューション(原題: Resident Evil: Retribution)』。2012年9月14日に日米同時公開されたホラーアクション映画。ゲームから生まれた名シリーズがついに5作目を迎えました。ゲームファンも多い中国では、来月に劇場公開を控えているなか、すでに話題となっています。この作品の撮影は2011年10月から12月にかけて行われ、トロントのシネスペース・フィルム・スタジオの他に、ニューヨークのタイムズ・スクウェア、東京、モスクワの赤の広場がロケ地となったそうです。同シリーズの前作で起用された日本の女優・中島美嘉は、今作でも敵役として登場したほか、日本語吹替版主題歌 『明日世界が終わるなら』も歌っています。
2位、『エクスペンダブルズ2』。シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガーなど、ハリウッドのアクションスターが結集した人気シリーズ『エクスペンダブルズ』の続編が、9月4日の封切から中国でロングヒット。キャスティングだけでも、アクションファンが大興奮する作品でしょう。監督はサイモン・ウェストが務めていますが、約1億ドルの予算で、2011年9月からクランクインし、ブルガリアなどで撮影が行われたということです。今作の見所といえば、ヒロイン役に抜擢された中国の女優・余男(ユー・ナン)。シルヴェスター・スタローンをはじめとした豪華な俳優陣とともに体当たりのアクション演技に挑戦し、負けず劣らずの活躍ぶりを見せています。日本での公開は10月20日に予定されています。ぜひ注目してください。
1位、『白鹿原(はくろくげん/ White Deer Plain)』。著名な作家・陳忠実さんの代表小説『白鹿原』を原作とした同名映画が、遂に2012年9月15日から全国で封切となりました。清朝末期から新中国へと激変する歴史を背景に、白家と鹿家2大家族の50年にわたる葛藤と盛衰を描いたこの小説は、人間と歴史の不条理をあるがままに見つめ、中国の近代文学界の絶賛を浴びているほか、中国古典小説の最高峰『紅楼夢』に匹敵する近代小説とも言われています。性的描写が多いことから、中国での映画化は難しいとされていましたが、やっとの思いで公開を迎えました。これまで10年以上も暖められ、1億元(約13億円)の予算で作られた渾身の作品として話題を呼んでいます。監督は07年、「トゥヤーの結婚(原題:図雅的婚礼)」でベルリン国際映画祭コンペ部門・金熊賞に輝いた王全安(ワン・チュェンアン)です。
映画は、原作の登場人物である田小娥(ティエン・シャオエ)と黒娃(ヘイワー)が中心となって愛憎劇が繰り広げられ、小説を基調とした壮絶な人間ドラマに仕上がっています。田小娥役を演じているのは、中国の若手女優・張雨綺(キティ・チャン)。張雨綺(キティ・チャン)は1987年の山東省生まれ。チャウ・シンチー(周星馳)映画『ミラクル7号(原題:長江7号)』のヒロイン役に抜擢されてデビューし一躍有名になった後、同年(2008年)、柴咲コウ主演の日本映画『少林少女』や、ツイ・ハーク(徐克)監督のラブコメディ『女人不壊』にも出演し、今や若手女優の代表の一人として第1線で活躍しています。また、キティはこの映画『白鹿原』への出演をきっかけに同映画の監督・王全安(ワン・チュエンアン)と結婚しました。早速映画館でこの作品を見ましたが、原作者の陳忠実さんが絶賛したとおり、「想像を絶するような超大作」になっていて、俳優・女優たちの迫真の演技からも目が離せません。(ミン・イヒョウ)
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