国慶節の連休を前に、先週から中国映画の話題作が相次いで公開されています。

　23日から、成龍（ジャッキー・チェン）自作自演の歴史大作『辛亥革命』を皮切りに、国慶節期間の映画商戦が幕開けしました。また、中国初の試みで、台湾のトップバンド・五月天（メイデイ）によるフル3Dデジタル・シネマ・コンサート「五月天（メイデイ）3DNA」も同じ時期に上映されています。そして、来週からは、中国の古代伝説を題材にしたアクション・ファンタジーの2作品が同時に公開される予定です。それは、李連傑(ジェット・リー)、黄聖依（ホアン・シェンイー）が主演、程小東（チン・シウトン）が監督を務める『白蛇伝説（白蛇伝/イッツ・ラヴ）』と、大好評の怪奇ファンタジー『画皮（ペインテッド・スキン）』の姉妹編と言われる『画壁（ミューラル）』です。同じジャンルの2作品によるガチンコ対決も注目されています。

　まずは、辛亥革命100周年を記念する成龍（ジャッキー・チェン）の歴史大作『辛亥革命』。実は先日、この作品のプレミア試写会が南京で行われ、総監督兼出演者のジャッキー・チェンをはじめ、主演の趙文瑄（ウインストン・チャオ）、李氷氷（リー・ビンビン）らが勢ぞろいしました。

　この映画は、中華民国建国のきっかけとなった辛亥革命が1911年に起きてから、今年で100年になるのを記念して制作された作品で、ジャッキー・チェンはメガホンを取っているほか、中国の革命先駆者・黄興役も演じています。また、メインキャストは63人と、『建国大業』と『建党偉業』に匹敵する作品として注目を集めています。この作品は今年9月23日に、中国全土と北米で同時公開されていて、歴史的意義を持つ映画であると同時に、国際的映画スター・ジャッキー・チェンの100作目にもなるので、世界的にも話題となることでしょう。

　一方、アクション・ファンタジーの2作品も見逃せません。

　李連傑(ジェット・リー)の『白蛇伝説（白蛇伝/イッツ・ラヴ）』は、中国で誰もが知っている古代民間伝説『白蛇伝』（はくじゃでん）を脚色したもので、人と妖怪の恋愛がテーマで、古くから小説や戯曲などの題材とされてきました。李連傑(ジェット・リー)は白蛇の正体を見抜き、彼女を雷峰塔の下へ閉じ込めた金山寺の和尚・法海役として出演しています。30年前、李連傑(ジェット・リー)はカンフー映画『少林寺』の僧侶役で大ブレイクしました。30年の間、数々の僧侶役をこなしてきましたが、最新作『白蛇伝説』でもあの名僧侶・法海を演じ、この10年間で一番難しい役だと本人も話しているそうです。李連傑(ジェット・リー)のほかに、若手女優の黄聖依（ホアン・シェンイー）、香港の人気俳優・林峰（リン・フォン）、ツインズの蔡卓妍（シャーリーン・チョイ）、『海洋天堂』でジェット・リーと親子役を演じた文章（ウェン・チャン）、ビビアン・スーなど第1線で活躍中の役者をそろえています。監督は、アクション指導（殺陣師）出身の程小東（チン・シウトン）。そしてアクションのデザインに定評のある程小東（チン・シウトン）と「キング・オブ・カンフー」李連傑(ジェット・リー)との強力タッグによるこの最新作、カンフー・ファンを楽しませてくれることは間違いありません。

　さて、もう1本のファンタジー映画は『画皮（ペインテッド・スキン）』の姉妹編『画壁（ミューラル）』。こちらは、先日結婚を発表した鄧超（ダン・チャオ）と孫儷（スン・リー）がW主演したもので、桃源郷に迷い込んだ男性３人の顛末を描くストーリーですが、『画皮（ペインテッド・スキン）』と同じ趣向で、繊細な恋の要素もあれば、目まぐるしいアクションシーンもある、中国らしさ満点の作品に仕上がっています。特に、女優の孫儷（スン・リー）は化粧品のCMでSMAPの香取慎吾と共演しているので、日本での知名度も高いでしょう。ということで、今年の国慶節連休中、観光収入は勿論、映画の興行収入にも期待が高まっています。（ミン・イヒョウ）