魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督の『賽徳克・巴莱(セデック・バレ)』。監修は『レッドクリフ』のジョン・ウー監督
8月31日から9月10日までイタリアで開催される今年の第68回ベネチア国際映画祭、最高賞の金獅子賞を競うコンペティション部門への出品21作品がこのほど発表されました。そのうち、ケイト・ウィンスレット、ジョディ・フォスター、クリストフ・ワルツ、ジョン・C・ライリーが豪華共演する「Carnage(カナージ)」(ロマン・ポランスキー監督)のほか、台湾の魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督の『賽徳克・巴莱(セデック・バレ)』、香港の許鞍華(アン・ホイ)監督の『桃姐(シンプル・ライフ)』、そして、日本の園子温(そのしおん)監督の「ヒミズ」が選出され、今年は、中国と日本の作品いずれも出品が決まったということです。
『賽徳克・巴莱(セデック・バレ)』(上篇)
魏徳聖(ウェイ・ダーション)監督の代表作は2008年に台湾映画史上最高のヒットを飛ばした映画『海角七号 君想う、国境の南』。台湾最南端の島を舞台に、60年の時空を超えて男女の恋を描いた純愛ストーリーでしたが、今回の新作『賽徳克・巴莱(セデック・バレ)』は、1930年代の日本統治時代、台湾原住民と日本軍との戦いを描いた歴史大作で、上下の2部構成となっています。ウェイ監督は「ベネチア国際映画祭という世界的な映画祭にノミネートされ、とても緊張している。世界に台湾の魅力をアピールできるチャンスをいただいた」と語りました。
『桃姐(シンプル・ライフ)』のスチール写真
また、香港の許鞍華(アン・ホイ)監督の『桃姐(シンプル・ライフ)』は、劉徳華(アンディ・ラウ)と葉徳嫻(デニー・イップ)が主演で、家族愛を描いた温かなヒューマンドラマとなっています。アン・ホイ監督は「引退前にカンヌかベネチア映画祭にノミネートされたい、とずっと思ってきた。長年の夢がついにかなった。レッドカーペットはデニー先輩と手をつないで歩きたい。香港映画頑張れ!とエールを送りたい」とコメントを寄せました。
園子温監督の『ヒミズ』
一方、今回コンペ部門にノミネートされている日本映画は園子温監督の『ヒミズ』という作品。園監督は『冷たい熱帯魚』が昨年、斬新な作品を集めた同映画祭のオリゾンティ部門に出品されたばかりですが、3大映画祭のコンペ部門への出品は初めてだということです。今回の出品作品『ヒミズ』は『行け!稲中卓球部』で知られる古谷実さんの漫画を映画化したもので、貸しボート小屋で生活する中学生・住田が、ある事件をきっかけに人生に絶望し、世間の悪者を探してさまよう姿を描くという人間の暗い部分を見せる作品に上がっています。日本での劇場公開は2012年春に予定されています。日本の奇才監督が放つ最新作、今年も国際映画祭をきっかけに話題を集めることは間違いないです。
審査委員長のダーレン・アロノフスキー監督
コンペ部門の審査委員長を務めるのは、昨年の話題作『ブラック・スワン』を手がけたアメリカのダーレン・アロノフスキー監督です。
『The Ides of March(アイズ・オブ・マーチ)』
ちなみに、オープニング作品は、ジョージ・クルーニー自らが監督・出演した政治ドラマ『The Ides of March(アイズ・オブ・マーチ)』に決定しました。
これから8月31日から9月10日まで開催されるベネチア国際映画祭、グランプリの受賞結果も世界中で注目されるでしょう。(ミン・イヒョウ)
【コンペティション部門の主要出品作品】
「The Ides of March」ジョージ・クルーニー監督(アメリカ)
「Tinker, Tailor, Soldier, Spy」トーマス・アルフレッドソン監督(イギリス・ドイツ)
「Wuthering Heights」アンドレア・アーノルド監督(イギリス)
「Texas Killing Fields」アミ・カナーン・マン監督(アメリカ)
「Killer Joe」ウィリアム・フリードキン監督(アメリカ)
「桃姐」アン・ホイ監督(中国・香港)
「The Exchange」エラン・コリリン監督(イスラエル)
「Alps」ヨーゴス・ランシモス監督(ギリシャ)
「Carnage」ロマン・ポランスキー監督/フランス・ドイツ・スペイン・ポーランド
「Dark Horse」トッド・ソロンズ監督(アメリカ)
「ヒミズ」園子温監督(日本)
「賽徳克・巴莱」ウェイ・ダーション監督(台湾)
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