5月中旬に入ると、中国各地の気温はぐんぐん上がります。北方の蒙古草原でも、南方の江南水郷でも様々な花が咲き乱れ、まさに百花繚乱!また、各地の学校やテレビ局では「5月の花」をテーマに青年歌謡大会や合唱祭が盛んに行われます。
「5月の花」という歌謡大会は1950年代に、学生ら青年たちがメーデーなどを記念するために行ったイベントです。青年たちは歌謡ショーや詩の朗誦、それに合唱コンクールなどのイベントを通じて、燃える青春と偉大な祖国を讃えました。これらのイベントは一般大衆も参加することができるため、60年経った今もなお多くの人々に喜ばれています。
中国では毎年5月4日は青年の日です。青年の日は、1919年5月4日に始まった五・四運動に因みます。五・四運動は、北京大学の学生が、列強各国、特に日本に対して弱腰な外交を展開する中国政府に行った抗議行動です。これを記念するため、毎年この日には、各地で多彩な記念活動が催されます。若者たちが各種のボランティア活動や社会活動を展開し、成人式を営むところも多いです。私の学生時代には、青年の日の前後に、全地区学校音楽コンクールが行われました。各学校は音楽コンクールで優秀な成績を取るため、合唱や独唱などの練習にとても忙しくしていました。
これらのコンクールでよく歌われる唄の中に祖国や共産党を讃える曲が多いです。これらの唄は「紅歌」と呼ばれ、「紅」とは革命を表す赤色のことです。「紅歌」はほとんど1950年代、60年代に作られたものです。当時、新中国が建国されて間もない頃、人々は新生活の期待に溢れ、共産党や指導者である毛沢東主席に心から感謝し、毛沢東主席や共産党を讃える歌がたくさん作られました。これらの唄は今なお多くの年配の方に青春時代を懐かしむ歌として愛唱されています。
今回の中国メロディーはこれにちなんで、青春を讃える歌をご紹介しました。番組で取り上げたのは「毕业歌(卒業歌)」、「五月的花海(五月の花の海)」、「我们的生活充满阳光(私たちの暮らしは陽光に溢れる)」、「革命人永遠是年軽(革命家、永遠に若く)」全4曲でした。
1曲目 毕业歌(卒業の歌)
この歌は音楽コンクールでよく歌われた合唱曲です。1930年代の映画『(桃李劫)若者の不運』のテーマソングで、作曲家・聶耳氏の作品です。歌は若者たちに帝国主義に反対し、祖国のために奮闘するよう呼びかけ、当時、多くの人々を感動させました。私の親の学生時代、つまり1950年代から60年代では卒業と言えば、絶対この歌でした。
2曲目 五月的花海(五月の花の海)
この歌は中国最大の青年組織、共産主義青年団の団歌です。共産主義青年団は1918年にソビエトで設立された青少年組織です。1920年に中国でも社会主義青年団が組織され、その後、中国共産主義青年団と改称されました。共産主義青年団は共産党の青年組織で、中国共産党の予備軍と呼ばれました。メンバーは14歳から28歳の青年です。私の学生時代には、クラスの中で成績など優れた優秀な学生しか青年団に加入することができませんでした。当時、早目に入団することは多くの青年の夢となりました。
歌詞は
我々は五月の花の海、
青春で、時代を抱擁する。
我々は昇ったばかりの太陽、
生命で未来を燃やす。
五四運動の松明よ、
民族の目覚めを喚起する。
壮大な事業よ、
我々が勇ましい前進を激励する
3曲目 我们的生活充满阳光(私たちの暮らしは陽光に溢れる)
この歌は1979年の映画「甘美な事業」のテーマソングで、紅歌の一曲としてよく歌われています。
歌詞は
幸せな花よ、心の中で咲く。
恋の歌よ、風に乗って漂う。
私たちの心よ、
遠方へ飛んでゆけ、
崇高な革命の理想に憧れる
4曲目 革命人永遠是年軽(革命家、永遠に若く)
この歌は1950年代のオペラ「星星之火(小さな火花)」の中の1曲で、有名な作曲家・李劫夫さんの作品です。今、オペラ自身はすでに人々に忘れられましたが、その中の名曲「革命人永遠是年軽(革命家、永遠に若く)」は今でも人気ある曲で、カラオケでの定番上位にランクインされているほどです。
この番組へのご意見・ご感想などがございましたら、ぜひお聞かせください。
宛先
〒100040 中国国際放送局日本語部「中国メロディー」係
メール nihao2180@cri.com.cn
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |