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爆竹とスモッグ(後半)

2013-03-18 10:34:07     cri    

 旧正月の春節は中国で最も重要な祝祭日です。春節期間中、爆竹を鳴らして厄介なことを払い、福を祈る伝統行事があります。もともとは縁起を担ぐために鳴らした爆竹、実際は福をもたらさず、多くの災いを招いています。

 去年旧正月の大晦日、北京市のPM2.5(微小粒子状物質)の濃度は1立方メートル当たり1593マイクログラムという驚きの数値に達しました。ちなみに、PM2.5の濃度は1立方メートル当たり500マイクログラムに達すると、大気質評価基準の最上限になり、毒害ある程度に達します。1593はその3倍も上回りましたね。

 経済発展や都市化の進展に伴い、中国の東部と中部地区では、最近、スモッグによる大気汚染が相次ぎ発生し、人々の憂慮を集めています。特に、爆竹が鳴らされてから、大気中の銅やマグネシウム、セシウム、ストロンチウムなど、希少金属の浮遊粒子が急激に増え、肺に吸い込まれれば、肺胞に付着し、各種の気管支炎や病気になりそうです。

 今年の春節期間中、爆竹と花火の自粛キャンペーンが行われました。多くの人々は中国版ツィッターのマイクロブログやインターネットの書き込みで、大気汚染を予防し、今年の春節に花火や爆竹を鳴らさないよう呼びかけています。

 今年、インターネットで行われたアンケート調査では、84%の回答者は爆竹と花火の自粛に賛成の意を表しました。これは去年の春節前、72.2%の人が爆竹を鳴らすことを期待しているというアンケート結果と対照的になり、人々が爆竹や花火への態度はだいぶ変わりましたね。人々の大気汚染への憂慮、そして環境保護意識の向上が覗かれます。

 また、爆竹や花火の自粛は大気汚染の予防だけでなく、それによる火事の軽減、そして春節支出の節約にもなります。いま中国では、一般の花火は200か300元(日本円の3千円か4千円)程度で、空に飛ぶ高級花火なら、千元近く(日本円の1万円以上)もかかりますね。爆竹もほぼ70元、日本円の千円ぐらいかかります。これらのお金を節約して、家族や親友へのお土産にしたら、もっと有意義でしょう。もしくは自分へのご褒美として、何か美味しい食べ物や洋服を買ってもいいのに。

 祭りは、もともと、金に返られないものとも、いえますね。それと、春節の期間は限られているので、大気汚染のなかでの、花火の影響というのは、期間限定ですね。いずれにしても、今までがあまりにも、規制が少なかったのでしょうから、様々なものへの影響を減らしていくためのルール作りは、時代のなかで、緊急の課題かもしれませんね。

 実は、いま、中国では、春節の期間中だけ、つまり旧暦の大晦日から旧正月の15日までの間にだけ、爆竹や花火を鳴らすことが出来ます。振り返ってみると、春節期間中でも、爆竹や花火が禁じられた時期がありますよ。それは1993年から2004年までの十数年間です。当時は大気汚染の予防ではなく、主に火事を防ぐために、都市部で爆竹や花火を鳴らすことが全面的に禁じられました。

 その十数年の間、中国人の春節に爆竹や花火の姿が見えませんでした。、その代わりに、祝祭日の雰囲気を演出するため、爆竹の音を収録したテープやCDが流され、人気を呼んでいます。うちでは、爆竹の音を収録したテープを買ったこともありますよ。

 2005年、一部全人代の代表や政治協商会議の委員の提案により、爆竹と花火の禁止令は制限令に見直され、春節中の15日間だけ鳴らすことが許可されました。それでも、春節期間中に都市の中心部や繁華街、病院、学校などの機関の周辺、そしてラッシュアワーや昼間に鳴らすことは依然として禁じられています。

 春節中に爆竹や花火を鳴らすこと、楽しいことは楽しいけど、大気汚染など、いろいろを考えると、それによる憂慮も少なくありませんね。新しい動きとして、今年の春節、北京や多くの都市の天気予報では、爆竹や花火を鳴らす指数が発表されました。強制的に鳴らさないという行政命令ではありませんが、政府も市民に自粛の勧告を出しましたね。人々の祭りですので、行政の強制ではなく、市民に意識の変化のなかで、祭りが自然に変わっていくというのが一番いいと思いますね。(終わり 3月14日オンエア「イキイキ中国」より)

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