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貧しい家庭に生まれた子の出世難

2011-08-25 11:22:10     cri    


























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 最近、中国のインターネットや中国版ツイッターのミニブログ(Weibo)では、こんな話題が注目を集めています。それは貧しい家に生まれた子供は出世が難しいということです。成績の優れた学生は、ほとんど良い家庭条件に恵まれているというのが現実です。良い家庭に生まれたことは、良い教育を受ける前提条件になっているのではないかと話題を呼んでいます。

 また最近、こんなニュースがインターネットで話題になっています。北京大学で農村部出身の学生は年々減少しているというものです。数字で見ると農村出身者が10年ほど前は3割だったのが、今は1割にまで減少したということです。また、一部の高校教師の話では、ここ数年、大学入試試験でトップ成績をとった学生はほとんど富裕家庭の子供で、家庭条件が悪ければ悪いほど、子どもの成績も悪いという残念な事実が分かりました。

 確かに優れた家庭に生まれれば、塾やセミナーにも行けますし、ピアノやテニスなど、いろんなことを学んで、趣味を生かせますね。これに対して、貧しい家の子供は学校以外の塾なんて、行くお金がないどころか、家のこともしなければならず勉強する暇もありませんね。中国では、都市部での一人っ子政策が実施されてから、子供は親や祖父母に可愛がられて、小さい頃から英会話やピアノ、ダンスなど、いろいろな塾に通わせていますね。

 しかし農村部ではまったく違います。両親は出稼ぎに行っているので、子供たちは長年祖父母の家、もしくは独りで暮らす場合もあります。これらの子供は「留守児童」とも呼ばれています。彼らにとって、安心して勉強することはとても贅沢なんです。家事はもちろんのこと、時には妹や弟の世話をしなければならないし、畑仕事などの農作業を手伝わなければならないからです。英会話やピアノの練習なんて、農村部の子供にとっては、まさに夢のような高嶺の花ですね。中国の農村部では、「希望小学校」や「希望中学校」など、沢山学校を建てましたね。それでもまだ追いついていないということでしょう。

 中国華中科学技術大学の学生・雷磊さんは陝西省の田舎の出身です。2006年の大学入試試験を受けましたが、残念ながら落ちてしまいました。そして、翌年は再び試験にのぞみ、ようやく華中科学技術大学に受かったのです。しかし、雷さんのように大学へ進学することができた学生は、その故郷の村では彼一人しかいません。雷さんの話では、小学校から毎日の通学路は7キロで、往復で3時間もかかります。放学後は畑仕事をしなければならないため、宿題を書く時間や復習の時間はほとんどありません、学生たちの成績はあまり良くないということです。農村部の学生はよく勉強していないのではなく、勉強に集中できないんですね。

 教育学者の楊東平さんはこのほど、湖北省に注目し調査を行いました。結果では、2002年から2007年までの5年間、専門学校に進学した農村部の学生は39%から62%に増えましたが、ほとんどは師範類や農林水産類のいわゆる人気のない専門を選んでいます。一方、都市部の学生の進学率は5年間で17倍も上がったということです。農村部の進学率は全体として上がったものの、都市部と比べると、伸び幅は少ないということですね。しかも、これは人気の専攻を避けた結果です。

 再び先ほどの陝西省の田舎出身の雷さんの話を紹介しましょう。雷さんの話では、農村部の学生が大学合格をめざそうとすれば、都市部の学生の何倍もの努力と強い意志が必要だそうです。雷さんの故郷では、これまでに大学に合格したのは4人だけです。いずれも何回も受験に失敗してようやく受かった人です。これに対し、一回目の受験に落ちた後、進学を諦め、畑仕事をしたり、出稼ぎに行ったりした学生が大勢いるそうです。受験の失敗は精神的なショックだけでなく、学費やお金の問題もありますね。浪人すれば、さらにお金がかかりますし、万が一進学できなかったら、お金は無駄になります。もともと貧しい家庭にとっては、結構大きな負担になりますね。貧しい家に生まれた学生の出世難、これは彼らの努力が足りないというだけではなく、客観的にも厳しい現実に問題があります。

 中国では、九年制の義務教育が実施されて、農村部では義務教育の学費が免除されましたね。しかし、大学への夢は農村出身の学生にとっては、まだまた難しそうですね。彼らの努力が足りないとか、進歩が遅いというわけではなくて、都市部の学生は塾やセミナーなどに通ったりして、いろんな知識や能力を身につけていますから、学習の条件にしてもその効果にしても、農村部と都市部は比べ物にならないほどの開きがあります。しかも、その差はますます拡大していますね。

 また、中国では、十数年前から、「知識は運命を変える」という言葉は非常に広く伝わっています。しかし、今の現実では、教育にも時間やお金の投入が必要とされるようになりました。投入がなければ、産み出される結果もないようです。運命を変える手段や能力、チャンスにも恵まれないことになってしまいます。ですから、低収入、低学歴、低技能のいわゆる悪循環となっているのです。教育はそもそも個人の投入だけに頼らず、政府や社会からの投入拡大も必要ですね。特に、貧困家庭の子供にもっと関心や支援を提供すべきですね。

 政府もいま、この問題を意識して、ますます重要視しています。中国の西部都市、成都では、都市部と農村部の一体化プロセスが進められています。2003年から、教育の均衡化発展が実施され、財政補助金など、一連の措置が取られて、都市部と農村部の学校の格差が縮められています。都市部の子供は留学ブームに熱心で、エリート教育が進められる一方、農村部の義務教育ももっと充実させるべきですね。出身を問わず、みんな平等な教育や雇用チャンスがゆきわたるようになるといいですね。教育の均衡性と就職の均衡性、これを実現するには、まだまだ時間がかかりそうですけど、これからの動きに目が離せません。(08/24 エーリン 「イキイキ中国」より)

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