2013年、中国の習近平国家主席は「シルクロード経済帯」と21世紀「海上シルクロード」(中国語略称:一帯一路)の構築に関する戦略的構想を打ち出しました。それが打ち出されるや否や国際社会に非常に重視され、また、シルクロード地域の国々から広い支持を得ています。「一帯一路」構想は、相互信頼や平等互恵、協力ウィンウィン、お互いの容認を中核にした古代シルクロードの精神を受け継いでいるだけでなく、平和・発展・協力・ウィンウィンという21世紀の時代の流れにも順応し、「中国の夢」と「世界の夢」を結びつけ、重要な戦略的意義と世界的影響力があるとみられています。
「一帯一路」構想が実現すれば、世界で最も距離が長く、発展の潜在力を秘めた経済回廊が構築されることになります。この地域は、世界総人口の63%を占める44億人の人口を有し、GDP規模も世界全体の29%を占める21兆ドルに達する世界経済の最も活力のある地域であるだけでなく、沿線には多くの新興市場と途上国があり、発展の伸びしろは大きいです。中国は同地域と緊密な経済貿易協力を展開しており、その貿易額は中国の対外貿易総額で4分の1以上を占めています。
この1年間、中国と沿線諸国は共に努力をし、「一帯一路」は構想から現実になりつつあります。特に、交通インフラや貿易と投資、エネルギー、金融サービスの安全面強化、二国間及び地域協力などの分野において大きな進展を遂げました。
「一帯一路」構想にあわせて、沿線諸国は陸海空を一体化した立体的交通網の構築に取り組んでいます。ユーラシアランドブリッジ計画(江蘇省の連雲港を出発点として、西安、ウルムチ、中央アジア、ロシアを経由して、アムステルダムまで鉄道を建設する計画)を筆頭に、中国・シンガポール経済回廊、中国・インド・ミャンマー経済回廊など、「一帯一路」の基幹通路が形成されつつあります。
インフラ整備への金融サービスを提供するため、アジアインフラ投資銀行や上海協力機構発展基金、上海協力機構開発銀行などの設立計画が発表され、来年相次いで設立される予定です。
また、「一帯一路」の沿線には、様々な物流センターが急ピッチで建設され、自由貿易パーク(または地区)も続々と設置されています。これらにより、地域内各国の経済発展と社会進歩を促し、地域の安全保障促進にもつながるとみられています。
「一帯一路」は中華民族の偉大な復興を実現する戦略的構想だけでなく、沿線諸国の共栄を図る道でもあります。この戦略を通じて、各国の相互補完性を生かし実務的協力に転じ、真の「利益共同体」と「運命共同体」を構築することになるでしょう。(ZHL、小山)
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