エジプトを訪問中の中国の王毅外相は3日、シュクリ外相との会談後、共同記者会見し、衝突が続くパレスチナ、イスラエル問題の解決に向け、中国側が提示する5項目の和平案を発表しました。王外相は、和平案について、早期停戦の実現と、和平交渉の再開を促すためだとしています。

　中国側による和平案は次の通りです。◆国民の安全と地域の平和を維持するため、双方は空襲や地上作戦、ロケット弾発射などを含め、直ちに停戦しなければならない。武力を濫用し、一般市民が犠牲となるいかなるやり方も受け入れることはできない。「目には目を、歯には歯を」といった行為をやめなければならない。◆中国はエジプトが提示した停戦案を支持する。武力手段による一方的な訴求ではなく、責任ある協議を通じて、共同で安全を実現させるべきだ。イスラエルはガザに対する封鎖を解除し、拘束していたパレスチナ人を釈放すべきだ。同時に、イスラエルが安全に対して関心を寄せる合理的な要望も重視されなければならない。◆衝突はパレスチナ問題が長期的に、公正かつ合理的に解決できていないことに起因する。中国は一貫してパレスチナ人民が独立国家を樹立しようとする正当な求めと合法的な権利を支持している。イスラエルとパレスチナ双方は和平交渉を戦略的な選択として、互いに善意を示し、和平交渉を一刻も早く再開するべきだ。◆双方の衝突は国際的な平和と安全に関わっており、国連安保理は一日も早く共通認識に達し、責任を持って果たすべき役割を発揮すべきだ。◆ガザ地区の人道的な状況を重視し、効果的な措置を講じなければならない。そのために国際社会は必要な援助を提供する必要がある。中国は150万ドルの人道目的とした援助を提供し、中国紅十字会（赤十字社）も人道援助を提供している。

　シュクリ外相は，中国側の考えとエジプトは一致しているとし、「国際社会は中国の声を歓迎すべきだ」と述べました。そのうえで、この問題において、中国が重要な役割を発揮することに期待を寄せました。（ZHL、山下）国際・交流へ