中国国務院報道弁公室が、10日に発表した『香港特別行政区における一国二制度の実践』と題する白書の中には、「香港特別行政区は法に従って高度な自治を実行している。特別行政区は法律に従って私有財産権を保護し、自由貿易港と独立関税区の地位を保ち、財政の独立を維持している。更に、独立した税収制度を実行し、経済貿易・金融・科学、教育、文化、衛生と体育政策などを独自に制定している」などの内容が挙げられています。

　香港基本法、並びに全国人民代表大会常務委員会が香港の従来の法律で処理したものによりますと、香港の普通法・衡平法・条例・付属立法と習慣法から成り立つ従来の法律は、香港基本法と低触する内容、また香港特別行政区立法機関が改正した内容以外の法律は全て保留されます。これを基礎に、香港特別行政区は法に従って高度な自治を実行し、行政管理権・立法権・独立司法権と最終裁判権を行使することになります。

　白書は、「憲法と香港基本法が定めた特別行政区制度は、国家が一定の特別地域に対して採用する特別管理制度である。この制度の下で、中央は香港特別行政区に対し全面的な管理権を有する。内容としては、中央が直接行使する権利と、香港特別行政区が法に従って高度な自治を実行することを中央が受け入れることが含まれる。香港特別行政区の高度自治権に対し、中央は監督の権利を持っている」としています。

　また白書は、「中央は依然として香港に対する管理権を行使する。憲法と香港基本法の規定によると、中央が直接香港に管理権を行使する主体は、全国人民代表大会及び付属の常務委員会、国家主席、中央人民政府と中央軍事委員会だ」と述べました。（怡康、高橋）