中国共産党中央委員会は28日と29日の2日間、北京で新疆ウイグル自治区に関する会議を開きました。会議では自治区の社会安定と永続的な治安維持を目標とし、テロ撲滅と民生向上を両立させ、自治区南部の発展計画を中央政府のトップダウンプロジェクトに組み入れることを決定しました。
最近、テロ攻撃が相次いで発生したことを受け、中国の中央政府は新疆などで1年間にわたるテロ撲滅強化活動を展開しています。
習近平国家主席は、「テロ対策を当面の重点にしなければならない」と強調しました。
中国社会科学院国境歴史地理研究センターの許建英研究員は、「現在の最大の問題は暴力テロ活動だ。もしテロを抑えられなければ社会の安定は不可能で、長期的な治安の維持もあり得ない。テロ対策では厳重で強硬な手段で敵対勢力や分離独立勢力、政治的立場が曖昧な者たちに存在の余地を与えず、首謀者と実行者など国内のテロ勢力だけでなく、新疆の分離独立を求める海外の勢力にも打撃を与えるべきだ」としています。
習近平国家主席は4月に初めて新疆ウイグル自治区を訪問し、南部で中国最西端の地方行政区カシュガルを視察しました。29日に終わった新疆に関する中央委員会の会議は、自治区南部の今後の発展について初めて中央政府のトップダウンで計画を実施すると発表しました。
これについて許建英研究員は、「新疆南部は荒地が多く、砂漠の面積が大きいが、川も多く流れている。人が快適に居住できるための環境整備には、中央政府からの大きな注目が必要だ。カシュガル地方はタジキスタン・アフガニスタン・パキスタンと隣接し、中央アジア・南アジアとの距離が近い。貿易通商地としての建設が進行中であり、多民族関係や地政学的問題と新しい安全保障問題が際立っている。自治区南部の発展は新疆の最重要課題であり、国家戦略の一環にしなければならない」と見ています。
新疆に関する今回の中央委員会会議は、雇用拡大を自治区民生向上の最重要課題と位置づけ、「自治区への投資プロジェクトと企業は現地住民の雇用を重視すべきだ。自治区に移転した企業の集中と規模的発展も重要であり、教育への政府拠出をより多く新疆に向けるべきだ」と定めました。 (ジョウ、大野)暮らし・経済へ
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