パク大統領の訪米について、韓国のメディアは主に2つの面から評価しています。1つは韓米同盟を強化したこと、もう1つは対朝鮮政策の協調です。
同盟関係の今後について、「朝鮮日報」の社説は、「両大統領が採択した韓米同盟60周年記念の共同宣言では、同盟の2つの柱として安全保障と韓米自由貿易協定(FTA)を挙げている。今後の課題は共同宣言の内容を行動に移すことだ。韓米関係では、戦時作戦統制権の韓国軍への移管問題や韓米原子力協定の改定交渉など懸案があるが、共同宣言の趣旨に照らし合わせれば決して解決不可能とはいえない」と述べています。
「中央日報」は、「韓米同盟は還暦を迎え、政治・経済・文化・人的交流分野まで含む包括的戦略同盟に進化してきた。今後は、気候変動、エネルギー安保、人権、人道的支援、テロ取締り、原子力安全、サイバーセキュリティなど世界的な問題でも協力するパートナー関係へとさらに発展していくだろう。それは、2009年6月に発表された『韓米同盟未来ビジョン』をレベルアップし具体化したものだ」と評価しています。
対朝鮮政策について「朝鮮日報」は、「両大統領は朝鮮に対し何か目新しい提案をしたわけではない。朝鮮が挑発をやめ、自ら対話の場に出てこない限り、いかなる提案も意味がないという点で、韓米両国の認識が一致したからだ」としています。一方、「中央日報」は、「今回、朝鮮の核を含む朝鮮半島問題の根本的解決に向けた戦略的構想を提示できなかったのは残念だ。朝鮮の自発的変化をひたすら待っているだけでは、現在の朝鮮半島はさらに悪化する可能性がある」との見方を示しています。
朝鮮の核問題について、韓米両首脳はさらに一歩、立場の一致を進めました。両国は朝鮮の脅威や挑発を容認しないと強く主張する一方、朝鮮との対話のための窓口は残しており、朝鮮に対して「制止と対話」を同時に進めていくという柔軟な姿勢を示しています。
これに対して中国人民大学国際関係学院の金燦栄副院長は、「韓米は対朝鮮政策の立場の一致を強化した。つまり圧力を強めつつ対話を呼びかける。朝鮮による挑発的な言動は気にしないが、それが行動に移されれば直ちに反撃する。パク大統領は今回の訪米で、韓米が共同して対朝鮮政策を推進するというイ・ミョンバク政権時代の路線を改めて確認した」と述べました。さらに、「韓米が同盟関係を強化するのは、朝鮮に威圧を加える一方、日本をたたくという意味もある。中韓関係にも間接的な影響があるかもしれない」と見ています。(鵬、大野)
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