韓米両国は27日、朝鮮半島の西部海域(黄海)で大規模な対潜水艦合同軍事演習を始めました。これは今年3月に韓国の哨戒艦「天安」号沈没事件が発生して以来、韓米が朝鮮半島の西部海域で行う初の合同軍事演習です。これに対して、朝鮮は「軍事演習は対立を激化する軍事的な挑発行為だ」と非難しています。
今回の演習は当初は、今月初めに実施する予定でしたが、台風9号の影響により、27日に延期されました。韓国の合同参謀本部によりますと、この軍事演習は韓米軍隊の偵察及び対潜水艦の戦闘能力の強化を目指しています。軍事演習は5日間の日程で行われ、10月1日に終了する予定です。伝えられたところによりますと、韓国側は駆逐艦2隻と、P-3C哨戒機及び潜水艦を出動させますが、駐韓米軍は、第7艦隊所属のイージス駆逐艦ジョン・S・マケイン(DDG56)とフィッツジェラルド(DDG62)、海洋監視艦ヴィクトリアス及び海上哨戒機などを派遣して、軍事演習に参加しています。両国から兵士およそ1700人が参加し、公には公開しない形で行われています。アメリカの空母ジョージ・ワシントンは、今回の演習には参加しませんが、10月末に西部海域で予定されている別の軍事演習に参加するということです。
韓国の合同調査団が5月20日、哨戒艦「天安」号の沈没の原因は「朝鮮の魚雷攻撃によるもの」という調査結果を発表した後、韓米は一連の合同軍事演習を決定しました。7月の25日から28日にかけて、韓米は朝鮮半島の東部海域(日本海)で「不屈の意志」と名づけられた大規模な合同軍事演習を行いました。演習に参加した両国の兵士は8000人を超え、空母ジョージ・ワシントンを始め、20隻あまりの艦艇が参加しました。8月の16日から26日にかけて、双方はまた、韓国の東部海域と西部海域で定例の軍事演習ウルチ・フリーダム・ガーディアン(UFG演習)を行い、米軍兵士およそ3万人と韓国軍兵士およそ5万人が参加しました。専門家は、「韓米がこのように頻繁に大規模な海上軍事演習を行う目的は、両国の共同作戦能力と合同対潜戦闘能力の強化を目指すほか、朝鮮に対して強い抑制のメッセージを伝えることにある」と分析しています。
朝鮮中央通信社が26日に伝えたところによりますと、朝鮮祖国平和統一委員会は当日、「米韓が引き続き戦争演習を行うことは、双方の対立を激化させる軍事的挑発行為だ」と非難した上で、「韓国側は朝鮮と人道主義問題の解決を目指す赤十字間の対話を行うと同時に、アメリカと共同で戦争演習を行っている。これは朝鮮に対する愚弄と挑発だ。韓国は対話と対決、平和と戦争について自らの立場を明らかにしなければならない」と強調したということです。
韓米の合同軍事演習に続き、韓国は独自に一連の軍事演習を行う予定です。専門家は「最近、韓朝双方による離散家族の面会をめぐる交渉及び韓国の朝鮮への災害援助などにより、朝鮮半島の情勢はいくらか緩和する傾向を見せたが、韓米による一連の軍事演習は、その空気を壊すだけではなく、朝鮮半島の緊張情勢を激化させる」と見ています。
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