中国政府は16日、「中国武装力の多様化運用」と言うテーマの国防白書を発表しました。1998年以来8回目の国防白書の発表となりますが、特定のテーマを設けた白書は今回が初めてです。
この白書では、陸・海・空軍の兵力や部隊の編成番号などを初めて公開し、中国軍隊は開放的であり透明度が高く自信を持っていることをアピールしています。
白書は、また、中国軍隊が持つ国の海洋権益や海外利益を守る使命を初めて系統的、かつ全面的に説明しています。中でも、初の空母「遼寧」の就役については、「強大な海軍を作り上げ、海上の安全を守る上で大きな意義がある」としています。
この国防白書を説明するため、中国国務院報道弁公室は16日に記者会見を開きました。楊宇軍報道官は席上「海洋を開発、利用、保護し、海洋強国を作り上げることは中国の重要な発展戦略である。海洋権益に関して厳しいチャレンジに直面している今、海洋権益を確保することは中国軍隊の重要な責任であり、国の安全に対する脅威に対応するためにも必要である」と述べました。さらに、「中国の軍隊が国の領土、主権および海洋権益を守る決意は揺るぎないものだ」としながらも、「中国は国際的な紛争やホットポイントとなる問題の平和的な解決を主張しており、食い違いを複雑化し拡大する言動には反対する」と表明しました。
一方、国際情勢や国の安全情勢の変化に伴い、中国軍隊の任務も増えつつあり、海外での中国人救出や国際的な平和維持活動、それに救援活動と合同訓練など、国際事務にますますかかわるようになってきました。この中で、中国は海外における軍事的な存在感を強めていくのではないかという懸念もありますが、中国人民解放軍総参謀部応急事務室の呉喜カ(金へんに華)副主任はこれについて「中国の軍隊が海外における国の利益を守るのは、海外におけるその軍事的な存在感を強めたり覇権を求めたりするためではない。また海外に軍事基地を作ったりはしていない」と強調しました。
白書では、さらに「中国軍隊は積極的な防御戦略を実施している。国の海洋権益と宇宙空間、それにインターネットにおける安全と利益を守っていく。中国は"相手が侵して来ない限り、こちらも侵さず、相手が侵してくれば、こちらも必ず侵す"という方針を堅持し、必要なあらゆる措置を取って国の主権と領土保全を維持していく」と表明しています。
これについて、呉副主任は「中国は平和発展の道と防御的な国防政策を堅持する。覇を称えたり争ったりすることを永遠にせず、軍事力の拡張もしない」と改めて主張しました。(鵬)
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