中国では、伝統的な祝日である旧正月・春節の連休が過ぎると、各地で求人難が再び深刻になってきました。珠江デルタ地帯や長江デルタ地帯では、労働力不足が大きな問題になり、さらに全国に拡大する傾向にあります。
春節が終わり、中国では、多くの企業が再び求人難に直面しています。東部の江蘇省では、数十万人の労働力不足となり、一部の工業団地では求人難のため、やむを得ず発注を一部断り、生産量を減らしています。揚州市開発区経済発展局の王大慶副局長の話です。
「人手が足りないので、注文が来ても喜べません。労働力の流動性が大きく、一部の従業員は春節で里帰りしたまま、工場に戻りません。企業側もやむを得ず、さまざまな対策を講じました。例えば、年末にボーナスを半分だけ支給し、春節が明けて工場に戻ってから残りの半分を支給するなどです。それでも、一部の企業では、2割以上の職員が戻ってきませんでした」
南部の広東省では、経済が回復して雇用のニーズがどんどん拡大しています。今年の春節後は、100万人の労働力が必要だと予測されており、深センだけで20万人の労働力が不足しています。深センの農民工(農村出稼ぎ者)就職サービスセンターでは、300以上の企業の求人に対して、問い合わせする求職者は非常に少なく、ある飲食企業は数日待っても、8人しか見つかりませんでした。
こんな状況の中で、求職者の賃金への期待も高くなっています。ある求職者のインタビューです。
「今年北京に来たばかりですが、人材市場へ下見に来ました。希望の賃金は月給3000元で、技術を学べる仕事がやりたいです。」
調査によりますと、いま北京市の人材市場では、賃金が3000元以上の仕事はあまり多くありません。ほとんどは2000元程度で、現実と求職者の希望にはズレがあるようです。
これについて、中国人口学会の常務副会長で、中国人民大学の翟振武教授は次のように言っています。
「今の求人難は、力仕事の出来る若手労働力の不足で、主に3つの原因がある。1、20年前に中国の出生率が急速に下降し、労働力の供給に影響を与えた。2、1998年から大学の学生募集が急激に拡大した結果、労働力市場で力仕事をやりたい人がさらに減少した。3、経済成長の結果、30年前、中国では労働力の供給が十分だったのに、今はそれほど多くの労働力を供給できなくなった。労働力集約型の産業構造がこれからも続くと、労働力不足にぶつからざるをえない」と語りました。(02/26 Lin、大野)
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