9月は新学年が始まる時期です。夏休みを終えた子供たちが、カバンを背負って、再び学校へやってきました。
(1)午後4時15分、北京市海淀区の小学校は下校の時間になりました。でも、5年生の劉天瑶さんは、教室で宿題をやっています。ここで1時間宿題をやったあと、英語の塾へ行くそうです。劉さんです。
(2)「宿題は以前に比べてだいぶ減った。宿題が多すぎるという親からの意見を学校が聞いてくれたからだ」
6時半、塾が終わり、家に戻った劉さんは、晩御飯の後、少し休憩してから、今度は塾の宿題を30分ほどやります。その後は、アコーディオンを毎日1時間、練習します。
(3)「アコーディオンは5歳から習っている。クラスの全員が趣味の塾に通っている。楽器がほとんどで、絵や歌などもある」
楽器の練習が終わったのは夜8時ごろです。劉さんはやっとマンションの下に降りて友達と遊ぶことができました。10時に寝るまで、1時間ほど遊べるそうです。
週末になりました。しかし、2日間の1日は、英語や国語の塾に通います。でも、ほかの生徒も同じなので、劉さんは特に不満には思っていないようです。
実は、劉さんの学校は小中一貫校なので、まだ楽なほうです。中学校に進学するため、2つ以上の塾に行かされている子も少なくありません。
子供に楽な環境を与えようと、劉さんのお母さんがこの学校を選んだのです。お母さんです。
(5)「中学に進学するのに、数学オリンピックなどたくさんの塾に行かないといけないし、特別な技能も求められる。 それに、小学校で優秀生徒に選ばれた子が有利になるなど、子供にとっては大変なプレッシャーになる」
こんな賢明なお母さんを持った劉さんは幸せです。幼稚園から様々な塾に無理やり行かされる子も多いからです。
最近、このような親の育て方が子供たちを不幸にしていると指摘されています。幸せを感じない子供が大人に育ったら、どうなるのでしょう。新学年が始まるこの時期、この問題が再び話題を呼んでいます。
これについて、心理学者の劉咏梅さんは、「子供の成長期に、親が勉強の成績に過度に注目するべきではない。子供の人格の発達や性格、情操の育成に気を配り、趣味を持たせることにより幸せを感じられる子に育ててほしい」と述べています。
(7)「感謝の心を持つ教育など、伝統的な教育を強化しなければならない。その他、ルールを守る教育、自信のある子に育てることも大事だ。自信があれば、長い人生で、困難を乗り越えられるからだ」
中国リポート、受験勉強に追いつめられるいまの中国の子供たちの様子についてお伝えしました。(閣、大野)
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