ドイツのメルケル首相が30日から中国を公式訪問しており、温家宝首相と共に第2回中国・ドイツ政府間協議を主宰します。世界経済の成長が鈍化している中、経済・貿易問題が今回の協議の焦点となると見られています。
メルケル首相の今回の訪中は、今年に入って2回目となりますが、世界最大の新興経済体国家である中国とヨーロッパで最も経済力のあるドイツの間の経済協力は、両国だけでなく世界経済の復興にも重要な役目を果たしています。中国リポート、今日はメルケル首相の今回の訪中について、中国現代国際関係研究院欧州研究所で経済プログラムを担当する劉明礼研究員の話をお伝えします。
劉研究員は「メルケル首相の今回の訪中は、新エネルギーやソーラーエネルギー、原子力エネルギーなどドイツの得意分野での協力を推進することが目的だろう。中国にとっても、これは外資や管理経験、および技術を導入し、関連企業の発展を促すチャンスだ。欧州債務危機という背景において、双方は互いにますます重要な相手となっている。世界の景気減退に直面する中、輸出を通じて経済を促進することが双方にとって急務となっている。こうした状況での中国とドイツの協力促進やドイツとヨーロッパの市場開拓は非常に重要だ」と指摘しています。
過去のデータによりますと、中国とドイツの経済貿易関係は良好な発展ぶりを見せていますが、近年、両国の経済・貿易関係に新たな問題が生じていることは否定できません。
劉研究員はこれについて、「ヨーロッパ諸国やその他の国において、中国の競争力が日増しに高まることは避けられない。中国の産業構造は絶えず調整されており、アメリカやEUの産業構造に近づきつつある。これまでは補完性が強かったが、徐々に競争性に転化するだろう。今の課題は、こうした競争性を如何に合理的かつ効果的に管理するかという点だ。アメリカとEUの貿易摩擦を見ればわかるが、両者はどちらも競争力が高い経済体であるため、戦略上の盟友であるものの、反独占や反補助金の貿易摩擦が常に生じている。しかし、双方の経済・貿易協力の大局や二国間関係には何ら影響していない」と語りました。
劉研究員はまた、「現在のWTOの多国間貿易システムは意思疎通や交渉、紛争解決のための優れたプラットフォームだ。ダブルスタンダード的な処理は報復を招き易く、摩擦を悪化させる可能性が高いため、経済・貿易問題は合理的なルートで処理することが重要だ」とし、「双方が一層密接な政治関係を通じて経済協力を推進することは非常に有効な手段だ。過去の中国とヨーロッパを振り返ると、政治関係の不安定さが経済・貿易に影響するケースが度々生じている。特に中国とドイツは互いにますます重要な相手となっており、より頻繁な相互訪問と密接な交流を通じて、安定した中国・ドイツ関係、中国・ヨーロッパ関係を維持することは、双方の経済・貿易協力にとってもメリットがある」と述べました。(白昊、中原)
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