中国の楊潔チ外相は、このほど記者の取材に対し、「過去5年間、中国と世界の融合が加速した。中国は、全ての国と平等に付き合う全方位の外交を進め、より公正かつ合理的な国際秩序の構築を促している」と述べた上で、「これからの5年間は、世界が真の中国をもっと理解してくれるよう期待しており、また、世界各国とともに様々な課題に対応していきたい」と表明しました。
中国では、2006年の中国アフリカ協力フォーラム北京サミットに続き、2008年には北京オリンピック、そして今年は上海万博が開催されました。また、この期間中、中国は世界各国と連携して、国際金融危機と気候変動に対応してきました。これまでの5年間は中国にとって、外交分野での大きな出来事が相次いで起きました。その過程で、中国は、全方位の外交を軸に、世界の大国や周辺諸国、途上国、国際機関との友好協力を進めてきました。この点について、楊潔チ外相は、次のように話しています。
「アメリカとの関係は安定して発展し、ロシアとの戦略的パートナー関係も日増しに深まっている。また、我々とヨーロッパ、日本との関係は改善され、発展している。さらに周辺諸国およびインド、ブラジル、南アフリカなどの新興国との関係も前進している」
中国の外交においては、どのようにしてアメリカとの協力を進めていくかが、世界から注目されています。経済力が世界第1位と2位のこの2カ国の関係は過去5年間、安定した発展はできたものの、決して順風満帆ではありませんでした。両国は、21世紀に向けた積極的かつ包括的な協力 関係を結び、ともにチャレンジに対応するパートナー関係を徐々に構築することで合意しましたが、意見の食い違いもありました。これについて、楊外相は、このように述べています。
「中国とアメリカの関係は、相手の損を自分の得にするのではなく、ウィンウィンの関係であるべきだ。世界経済のグローバル化によって、中米両国は、以前より多くの共通した利益を得ており、今後もさらに努力して、ますます多くの分野でウィンウィンの関係をつくるべきだ」
また、アジア諸国との関係について、楊外相は「各国と共に、平和、平等、互恵のアジアにしたい」との考えを示しました。
2011年から中国の第12次5カ年計画が実施されますが、今後5年の外交に向け、楊外相は「不確定要素は多いが、外交関係の発展に自信満々だ」と述べています。
「我々には、チャンスとともにチャレンジも待ち受けている。しかし、チャレンジよりはチャンスのほうが多い。それは、中国が成長するに従い、中国と交流、協力してくれる国が増えてくるためである。今後5年の世界情勢は全体的に安定するだろうが、確定しない要素は多く、トラブルも少なくないだろう。しかし、私は、中国の外交に十分、自信を持っている」 (鵬)
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