21世紀に入ってから、中国は7年連続して食糧の生産量を伸ばし、この中、5億トンを超えた年はすでに4年続いています。こうした食糧の増産が可能となったのは、中国政府が農業生産における科学技術の役割を重視したこととは緊密な関係があります。
今日の中国リポートはこうした動きをめぐり、韓長賦農業相のインタビューをお送りしましょう。このリポートは次のように書いています。
2006年から2010年までの第11次五ヵ年計画の間に、中国政府は一連の食糧生産支援策を打ち出し、中でも、科学技術によるサポート強化がそのハイライトとなっています。
これまでの5年、科学技術の食糧増産に対する寄与率は上がる一方で、機械化の程度がアップされたのにつれ、中国の農業生産がこれまでのヒトや家畜の力だけに頼る形から機械作業がメインになる状態に変わってきました。これに関して、韓長賦農業相は。
「中国では、耕作や種まき、刈入れにおける農業機械の総合利用率は第10次五ヵ年計画の末では36%だったのが、今年の見積もりを含めた第11次五ヵ年計画の間には52%に達する見込みで、史上最高。5年間で16ポイントも高まったのは、農業機械の購入に対する補助金政策と大きな関係がある」と話していました。
最近、中国の農業当局は末端の農業技術広報サービスシステムの整備を始め、大面積の農地で応用できる実用技術を普及させる新しいルートを模索し、主要食糧作物の近代化農業・産業技術システムを構築しました。このほか、食糧の5000万トン生産能力計画などの重要プロジェクトの新規実施により、食糧総合生産能力のアップにも重要な役割を果たしました。
一方、ここ数年、自然災害が頻発しているという新しい情勢を背景に、農業当局は新しい防災・減災対策を打ちたて、科学技術による災害救援のレベルアップを図っています。とりわけ、今年は農業技術のサービスがタイムリーで行き届いており、優良品種、優良栽培法、防災・減災などのキーテクノロジーの宣伝で重要な役割を果たしました。
韓農業相の話です。
「自然災害と戦いながら、豊作を勝ち取ったことが今年の大きな特徴で、科学技術による災害対策は肝心な役割を果たした。今年、農業生産での肝心な時期に災害対策が打ち出された。例えば、小麦が茎を伸ばし、穂を育む肝心な時期に、肥料を与える際の補助金政策を打ち出したほか、農業技師たちが現場に入り農民を指導し、予防対策に力を入れたことが大きな効き目を果たした」
また、農民に対する生産経営技術の研修も強化させました。関係当局は農村労働力の移転を目的とした「陽光プロジェクト」を立ち上げ、この5年来、1650万人の農民を対象に研修プロジェクトを実施しました。
「農民に対する研修は国のたいへん重要な取り組みで、今回の共産党第五期中央総会でも、農村の職業教育の普及を強調していた。これからは技術に精通し、管理と経営ができる農民を養成しなければならない。栽培業、養殖業の専業農家の発展を通して、土地の産出能力の安定化と向上をはかっていかなければならない」
今後5年について、韓長賦農業相は、「工業化、都市化の発展につれ、今後、農業当局は農業技術を大々的に推し進め、科学技術によるイノベーションの歩みを速め、食糧、綿花、油の生産確保と増産及び野菜生産の確保に大いに力を入れ、中国の農業近代化に力強い技術的サポートを提供していくと展望しました。
中国政府が農業生産における科学技術の役割を重視していることについての韓長賦農業相のお話をかいつまんでご紹介しました。(翻訳:Yan)
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