現在、中国政府は農業科学技術開発への投入を増やし、食糧の生産能力を高め、農民の所得増加をサポートする方針を示しています。このほど閉幕した全国科学技術活動会議では、近代的な農業の発展が今年度の科学技術部門における最も重要な活動の一つとして挙げられました。
このほど開かれた全国科学技術活動会議で、万鋼科学技術相は、このように語っています。
「近代的農業の発展を加速させ、農村と農業に関する科学技術の革新を推進するためには、科学技術の進歩が不可欠です。中央の一号文書では特に、内需拡大につながる最大の潜在力は農村にあり、経済の急速かつ安定した成長を実現させるための基礎は農業にあると指摘しました。このため、農業分野の技術の革新とその運用を促すことが急務となっています」
中国の科学技術部門は、収穫量の多い新たな品種の育成と新技術の普及を通じて、農業発展に支援を行う計画を立てています。今後、米や大麦、コウリャン、ジャガイモなど50種類にわたる農産物の産業技術体制を整備し、遺伝子転換による新品種の育成を促進し、農業生産の機械化を進めていきます。
現在、中国は春の植付の時期を迎えています。各地の関係部門は以前よりも大規模な技術者チームを農村に派遣し、調査研究と技術教育を行っています。中国南東部に位置する福建省の農業科学院の責任者、翁啓勇氏の話です。
「科学技術者による農村の支援は、農業関連企業と大規模農家を主な対象としています。科学技術者は企業と協力して実際の問題を解決します。また、農家支援に関しては、稲の栽培前に教育を行い、現場で指導します。」
統計によりますと、中国では毎年、農業に関して3000あまりの新技術が生み出されています。その成果により農業の発展は着実に明らかになっています。科学技術はまた、農民が自然災害の影響を軽減し、豊作を保つための秘訣となっています。今年、北方で発生した干ばつで、科学的な干ばつ対策は著しい効果を収めました。万鋼科学技術相の話です。
「科学技術省は干ばつ対策の特別行動を展開しました。様々な分野の専門家を組織して、干ばつ地域に入り、干ばつ防止のための実用的な技術とその製品を普及させました。また、科学技術を投入し、応急技術の開発にも力を入れました。」
現在、中国北方の干ばつはほぼ緩和されましたが、中国農業省は、より一層科学技術を干ばつ対策に用いることが、技術面での今後の重要な方針となると示しました。
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