中国の楊潔チ外相は7日、全人代・中国全国人民代表大会の記者会見で、「2010年も全方位の外交を継続する。それにあたっては、各国との相互理解を強化し、長所を取り入れ、短所を補いながら、共同で発展していきたい。できる限り、世界と地域の平和と安定、そして発展のために、さらなる貢献を行っていくつもりだ」と述べました。
およそ2時間にわたって行われた記者会見で、楊外相は今年の外交活動の重点、中米関係、中ロ関係など二国間関係のほか、G20サミットや朝鮮半島の核問題など、多国間関係や地域問題の焦点などについて、記者の質問に答えました。楊外相は「2010年は国際金融危機に対応し、世界経済の回復を促す非常に重要な年だ。引き続き国家の主権、安全、発展の利益を断固として維持し、全方位の外交を推進していく」と述べました。
「今年、サミットの外交と上海万博の外交を重点的に行うとともに、国の安定の確保と発展の促進、構造の調整に必要な外部環境をつくる」。
現在まで、すでに190余りの国と50余りの国際機関が参加を申し出ており、開催期間中、海外から政治要人100人余り、観光客、数百万人の来場が見込まれています。楊外相はこれについて、「上海万博は発展途上国で行われる初の万博だ。経済、社会、科学技術、文化の盛典であるだけではなく、外交の盛典でもある。中国が世界各国から学ぶよいチャンスだ」と述べました。
近頃、注目されている中米関係について、楊外相は「アメリカの台湾への兵器売却や、アメリカ首脳のダライラマとの会談などは、両国の3つの共同コミュニケと『中米共同声明』の原則に大きく背くものだ。これは中国の核心利益、および両国関係の大局に損ねた」と述べ、断固として反対する立場を強調しました。
「当面の急務は、アメリカが中国側と誠意を持って向き合うとともに、中国の核心利益と関心事を尊重し、敏感な問題を適切に処理することで、中国と共に両国関係の安定的な発展に向けて努力して行くことだ」。
また、楊外相は中国とロシア、中国と日本、中国と欧州などの関係に関する質問に対し、「相互理解は国と国の関係を発展する上での基礎だ」とし、中国の特殊性と国情を理解した上で、これまでの考え方と偏見を捨てるよう、関係各国に呼びかけました。
2009年、国際金融危機への対応で、中国は国際社会から高く評価されました。これについて、楊外相は「2010年はG20サミット体制を確立する年だ。われわれは各国と共に、『民主、透明、公平、有効』の原則に基づいて、G20体制が世界経済の改革でさらに大きく、効果的な役割を果たすよう推進していきたい」と述べました。
さらに、楊外相は朝鮮半島の核問題など国際問題や地域問題の焦点について答え、「中国は発展途上の大国として、できる限り、世界と地域の平和と安定、そして発展のために、さらなる貢献をしていくつもりだ」との姿勢を示しました。
(翻訳:トウエンカ)
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