ウクライナ議会がティモシェンコ首相の内閣不信任案を可決したことによって、連立与党会派の分裂を告げました。アナリストは「ウクライナ議会は内閣の不信任案が可決されたが、新たな連立の結成と新政府の成立は容易ではない」と見ています。
ウクライナ議会のリトビン議長は2日、ティモシェンコ首相の内閣を支えてきた連立与党会派の崩壊を宣言しました。その後、ウクライナ議会は3日、内閣不信任案を可決しました。連立与党会派は「ティモシェンコ連合」、「われらのウクライナ」と「リトビン連合」の3会派からなっています。内閣不信任案の可決投票で賛成票を投じた243人のうち、19人が「リトビン連合」、15人が「われらのウクライナ」、7人が「ティモシェンコ連合」の議員です。このことから見ると、不信任案の可決は時代の流れであり、ティモシェンコ氏の議会での支持率はだいぶ下がったことが分かりました。
ウクライナの憲法によりますと、不信任案が可決されると同時に内閣が総辞職するとのことです。ティモシェンコ氏は「議会が不信任案を可決すれば、内閣が総辞職する」と表明していました。不信任案が可決された後、『ティモシェンコ連合』は野党になり、ティモシェンコ氏も休暇することを発表しました。
それと同時に、ヤヌコビッチ大統領は新たな連立の結成を議会の各党派に促しています。ヤヌコビッチ大統領は「ティモシェンコ首相の内閣に対する不信任案の可決は新たな連立を結成するための障害を取り除いた。当面、ウクライナの最大の問題は、議会で新たな連立を結成することだ。国家管理の危機を克服するために、各党派はできるだけ早く協定に達成してほしい。さもなければ議会を解散して、選挙を行うしかない」と述べました。
ウクライナ議会には合わせて450議席があります。連立は過半数の議席を擁する各党派から構成しなければなりません。もとの連立が解散された後、各党派は30日以内に新たな多数派連立が結成できない場合、大統領は議会解散を繰り上げ、議会選を命じることができます。
これに対して、アナリストは「議会の解散は各党派が受け入れられる最低ラインであり、限界点ともいえる。各党派は議会解散と議会選をしたくないことから、新たな連立が結成されるだろうと思われる。このような情勢はヤヌコビッチ大統領の地域党にとって有利だ」と見ています。一方、一部分の専門家は「現在の状況から見れば、地域党は新たな連立を結成する能力を持っていないことから、新たな連立の結成と新政府の見通しは明らかなものではない。今後の一定期間で、新たな連立を結成するために、地域党とティモシェンコ連合の間では激しい闘争が繰り広げられるだろう」との考えを示しました。
このほか、ウクライナ憲法によりますと、新政府が成立する前まで現在の政府は引き続き職責を果たすということです。ところが、ティモシェンコ氏が離職したことに伴い、ウクライナは無政府状態となっています。これは、ウクライナの安定と経済の発展にとって不確定な要素となっています。
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