ウクライナ中央選挙管理委員会は8日、開票率99%の集計で地域党の党首・ヤヌコビッチ前首相が決選投票で現職の首相・ティモシェンコ氏をわずかの差でリードし、当選確実となったと発表しました。また、この選挙の結果は欧州安全保障協力機構、欧州委員会、独立国家共同体などの国際と地域組織に承認されました。アナリストは「選挙に成功すれば、ロシア寄りのヤヌコビッチ氏は内政と外交の面で多くの課題に直面する」としました。
8日現在まで、ウクライナ中央選挙管理委員会はすでに開票率の99.42%を集計し、ヤヌコビッチ氏の得票率は48.81%、3ポイントの差でティモシェンコ氏をリードしました。また、決選投票の投票率は69%に達し、過半数を超えました。同委員会は当日、「決選投票の結果は有効だが、最終得票結果はウクライナの法律に基づき、10日以内に発表される。目下の集計でヤヌコビッチ氏は当選確実で、残りの開票結果は今回の選挙の結果に影響をおよぼすわけではない」としました。
また、欧州安全保障協力機構、欧州委員会、独立国家共同体などの国際と地域組織の監視団は当日、それぞれ声明を発表し、「ウクライナの大統領選挙は国際基準に符合し、選挙結果に影響を及ぼす違法行為は存在しない」としました。EU の外交安全保障担当の高級代表で、欧州委員会の 事務次長は当日、声明を発表し、ウクライナ大統領選挙が無事に終わったことに歓迎の意を表した上で、「これはウクライナ民主化プロセスの面で収めた重要な成果だ」と述べました。また、EUはウクライナの次期大統領と協力をする考えも示しました。
現在、この選挙結果に対しての抗議運動はまだありませんが、ティモシェンコ氏は選挙の結果に不正があるとして、集計のやり直しを求めていく構えも見せています。
ただ、今回の選挙の結果とティモシェンコ氏の対応は、人々に2004年11月に行われたウクライナ大統領選挙のことを思い出させます。当時、ヤヌコビッチ氏がわずか2%の差で野党のユシチェンコ氏をリードしましたが、ユシチェンコ氏は選挙結果に不正があるとして、全国規模でのストライキを呼びかけ、更にオレンジ革命を起こしました。ただ、アナリストは「当面の状況から見れば、5年前のようなオレンジ革命を起こす可能性は低い。まず、EUなどの機構からなる国際的な選挙監視団は選挙の公正さを認定している。また、この5年間、「オレンジ革命」で当選したユシチェンコ大統領とティモシェンコ首相が率いた現政権はすでに市民の信頼を失っている、再びオレンジ革命のような方法で大統領の座を獲得することは難しい」としました。
一方、ヤヌコビッチ氏は当選した後、大統領、政府、議会をめぐる三者関係の調整などの課題に直面しなければなりません。また、ロシアとアメリカを始めとする西側諸国との関係をいかにうまく協調させるかも各方面に注目されています。
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