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成都市の李春城書記、調和の取れた社会作りに努力
   2007-04-05 10:14:59    cri

 三国時代、中国西部の四川省は「蜀の国」と呼ばれていました。交通の便が悪く、「蜀の道を歩むのは、天に登るよりも難しい」という古い言葉が伝わっています。しかし21世紀の今日、世界各地からの観光客や投資者はこの土地を頻繁に訪れ、四川省の省都、成都市は中国の中部と西部地区を結びつける中枢都市となり、西部地区のビジネス中心地となっています。いま、調和の取れた社会作りがホットな話題となっています。西部の中心都市として、成都市は調和の取れた社会作りの面でどんな対策を講じているのでしょうか。北京で全人代年次会議に参加している全人代代表、成都市の李春城書記にインタビューしました。

 李書記によりますと、調和の取れた社会作りについて、成都市は主に二つの面で努力しているということです。一つは内部的な建設の面で、主に都市部と農村部の格差を縮め、都市部と農村部の均衡発展を促すことです。もう一つは対外開放の面で、外資導入の質を高め、投資環境や創業環境を整備することです。

 では、具体的に、この二つの面でどんな政策を実施しているのでしょうか。まずは内部的な建設の面について、李書記は次ぎの三つの事を重点に挙げました。

 「まずは考え方の問題です。科学的な発展観に基づいて、成都市は『都市部と農村部の一体的な発展』という総合戦略を打ち出しました。その目的は都市部と農村部の社会事業の均衡ある発展を促すためです」

 成都市では、都市部の人口が総人口の30%を占め、残りの70%はすべて農村人口です。総人口の7割を占める農村人口に対して、社会主義的な公共サービスを実施することが、農村問題を解決するカギとなり、経済社会の持続的かつ均衡ある発展と緊密に関わっています。

 李書記によりますと、都市部と農村部の社会事業の均衡ある発展は、公共サービス分野の問題だけではなく、経済社会の発展に関わる基礎的な問題でもあると指摘します。例えば、教育の面で、農村地区の若い世代が良い教育を受けられなければ、国民全体の素質向上にマイナス影響を与え、経済社会の持続的かつ均衡ある発展を妨げることになるでしょう。

 「次は政策措置の問題です。都市部と農村部の一体的な発展には、それに相応しい政策措置を制定しなければなりません」

 ここ数年、成都市は都市部と農村部を共にカバーする公共財政メカニズムの確立に取り組んでいます。農村を発展させるため、各関連部門は農村地区の発展をその部門の重要な任務と認識し、その発展に努力しています。

 「第三は、力の問題です。正しい考え方、優れた政策措置があれば、政府は現実の状況から出発し、農村への資金投入に力を入れなければなりません」

 温家宝首相は今年の政府活動報告で、銀行などの金融機関が「農村、農民、農業」のいわゆる三農問題に対する貸付支援を拡大するよう指示しました。成都市はすでに多くの効果的な措置にチャレンジしています。李書記は次の例を紹介してくれました。

 成都市では、市の指導者から各政府部門まで、貧困村(むら)への支援活動を行っています。李書記本人も成都市金堂県又新鎮祝新村で貧困援助活動を行いました。

 「貧困村に対し、四川省や成都市から貧困援助金を拠出しています。四川省は各貧困村に毎年50万元、成都市は毎年40万元です。昔はこの貧困援助金で種や化学肥料を買って村民に配りましたが、金額があまり多くなかったので、貧困状況の改善にあまり役立ちませんでした。2005年、われわれはこの援助金を資本金にして、農業発展株式会社を設立しました。つまり、政府の援助金をもとに、村民が自由に株を購入して、村の土地などの資源を統合し、市場経済の方法で農村の集団経済を発展させたのです」

 李書記によりますと、昔、銀行などの金融機関は農業へ投資することを嫌がっていました。なぜかというと、農村や農業への投資は収益が少ないし、リスクは高いのです。現在、政府の補助金と農村の労働力、土地などの資源を統合して、市場経済に相応しい農業企業が設立されました。これらの企業は社会的な資金を引きつけており、銀行などの金融機関が農村や農業への投資に自信を持つようになりました。一方、貧困地区では、昔はただ政府の援助金を待って生活していましたが、今は政府支援のもとで、自ら進んで貧困脱出に努力するようになったということです。

 内部社会の均衡化を進める一方、成都市は対外開放の歩みを速めています。西部地区の中心都市という優れた地理的利点を生かして、成都は対外開放を積極的に推し進めています。

 2006年、成都のハイテク開発区の外資導入額は14億6300万ドルに達し、中部と西部地区で第一位となりました。IBM、SAP、BOC、Symantecなどの会社が相次いで成都で投資し、全国53の国家級ハイテク開発区のうち、成都ハイテク開発区の総合ランキングは5位で、企業利潤率のランキングでは1位、外資導入のランキングでは2003年の第21位から2006年の6位に上りました。このような素晴らしい成績について、李書記は三つの理由を挙げました。

 「まず、成都は優れた地理的優勢を持っています。それに加えて良好な教育と科学技術の基礎を備え、交通の便も整い、産業発展に有利な条件に恵まれています。第二に、成都市政府は一連の改革を行い、政府機関の規範化サービスを進めています。第三に、成都は優れた自然と文化条件に恵まれ、革新の雰囲気に囲まれていますから、起業者の投資を引き付けています」

 もちろん、外資導入を進めるにあたって、何よりも説得力があるものは、企業の収益です。成都で投資している企業のほとんどは投資規模をさらに拡大し、一部は成都を中国の西部地区に進出する重要な拠点としています。

 『調和の取れた社会作り』、これは一言ではなかなか説明しにくいものです。しかし、成都市の発展はほかの西部地区に良い見本となっています。独自の優位性を生かし、自ら発展の道を探し求め、内部的な建設に取り組むとともに、対外開放を進めている成都市の明日はきっと一段と発展するでしょう。(取材:劉叡琳)

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