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開幕式の様子 |
会場内のパネル |
3月8日と9日、「第1回北海道大学デー」というイベントが北京市内で開催されました。北海道大学は海外の大学や研究機関と提携を結ぶなど、国際化を推進しています。留学生の受け入れにも積極的で、今回のイベントは中国の学生たちに留学先としての魅力をPRしたい狙いがあったようです。
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説明に聞き入る参加者 | 会場となったのは、北海道大学と学術提携を結んでいる大学の一つ、北京科学技術大学の国際交流センターです。北海道大学の教授や職員などが大学の歴史や学部に関する説明会を開催したほか、卒業生らによるパネルディスカッションや留学を考える中国人学生を対象にした個別相談会などが行われました。会場には北京市内の大学に通う学生およそ200名が詰め掛けました。
当日会場に来ていた中国人大学生・孫テイテイさんにお話を伺いました。
「私は北京科学技術大学3年生で、進路についていろいろ考え始めています。日本への留学も視野に入れているので、今日の『北海道大学デー』には大きな関心を抱いてやってきました。日本の大学について、いろいろ聞きたいと思ったからです。今は日本語を勉強しているのですが、これからは経済学など別のことを学びたいと思っています。北海道大学ではそういうことが学べるのか、相談してみたいです」
北海道大学は国際化を進める一環として、中国だけでも北京科学技術大学など7大学と提携を結んでいます。また、2006年には初めての海外事務所となる北京事務所を開設しました。さらに留学生を対象にした奨学金制度も充実させています。今回のイベントでは、そうした条件的な部分のPRも行われ、参加者の関心を集めていました。これについて、北海道大学の佐伯浩総長は次のように語りました。
「留学生の奨学金制度の充実についてですが、今年私費留学生に対して特待制度を設置しました。博士後期課程に進学した優秀な留学生に奨学金を支給するほか、リサーチアシスタントとして雇用し、給料を支給する制度です。さらに、英語による授業を拡充しています。言葉の障壁を少なくし、留学しやすい環境を提供することに努めています。そのほか、留学生用の寮を整備します。今年は新たに学生寮を2つ整備する予定です。このような取り組みを理解していただき、関心を向けていただければうれしいです」
最新のデータによると、北海道大学の留学生数はおよそ800人にまで増えているということです。その中でもトップは中国人留学生で、全体の5分の2、およそ350人となっています。
なぜ中国人学生が多いのかという理由ですが、まずは「隣の国」という地理的な要因が挙げられます。また、さきほど話した北京事務所の果たす役割が大きいようです。実はこの北京事務所では、現地試験を実施しています。通常、日本に留学したい場合、学生はわざわざ日本に行って試験を受けなければなりません。しかし、これは時間的にも金銭的にも大きな負担となります。それを解決するため、北海道大学では北京事務所で入学試験を受けられるようなシステムを作っており、テレビ電話を通じた面接試験などを実施しています。こうした制度が中国の学生からは好評で、留学生の増加につながっているそうです。
実際に現地試験制度を利用して北海道大学に留学している黄潤さんに話をお聞きしました。
「現在、北海道大学法学研究科修士1年生で、専攻は保険商法です。天津外国語大学に在学中、北海道大学で博士号を取った先生がいて、北海道大学を薦めてくれたんです。現地試験制度を利用して、留学することになりました。今は春休みなので、このイベントに参加するため中国に帰ってきました。留学を考えている後輩たちに日本での勉強や生活などについてアドバイスできればと思っています」
北海道大学は、留学生の受け入れのためにさまざまな取り組みを行っています。今回のイベントは2日間にわたって行われましたが、北海道大学では今後もこのようなイベントを通して、PR活動を行っていきたいと話していました。(文・写真:任春生)
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