若者が交流の中で相互理解を促進
ーー笹川杯日本知識クイズ大会優勝者、日本を訪問
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笹川陽平会長(中央)を囲む |
2008年は中日青少年友好交流年で、両国の間ではいろいろな交流活動が計画されています。そんな中、先月末、中国の学生が日本を訪問しました。今回日本を訪問したのは、「笹川杯日本知識クイズ大会」2007年度大会の入賞者たちです。
「笹川杯日本知識クイズ大会」は、毎年中国で行われている、中国の大学生が日本知識を競い合うクイズ大会です。日本財団の協賛で、日本科学協会が実施しています。2007年度の入賞者たちは1月25日から31日までの1週間、日本に滞在し、さまざまな体験をしました。入賞者は日本に到着した日、東京で行われた歓迎レセプションに参加しました。日本財団の笹川陽平会長は、歓迎の挨拶で次のように述べました。
「ようこそお越しいただきました。皆様、日本語を一生懸命勉強していますね。クイズ大会で入賞するのにも、ずいぶん苦労なさいました。中国と日本は隣あわせの国でありますが、文化も、歴史も、生活様式も相当異なります。やはりお互いの国がどのように違うか理解することが大切です・・・」
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東京大学を訪問 |
金閣寺を見学 |
今回のクイズ大会で入賞したのは、日本語を専攻している学生ばかりでしたが、ほとんどが日本を訪れるのは初めてということで、なるだけ多くの場所を訪れ多くの経験をしてもらおうとプログラムが組まれました。なかでも重視されたのは、日本の大学生との交流活動です。今回、入賞者たちは日本の大学生との交流会にのぞみました。
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日本訪問の感想を語る中国人学生 | 「私は池田昭博です。日本専修大学の学生です。専攻は経済学です。あなたたちの日本語は非常に上手ですね。みんなで仲良くして、日中交流をしたいです」(池田昭博さん)
「南京大学4年生の張頴です。これからみんなと仲良くしたいです」(張頴さん)
「私は顧雅芳と申します。杭州師範大学の四年生です。みんな親切ですね。ささやかな力ですけれども、中日交流に努力します」(顧雅芳さん)
交流会ではまず、お互いが自己紹介をしました。中国の大学生たちはふだん日本の大学生と交流する機会が少ないということで、やや緊張した面持ちでしたが、自己紹介で緊張が解けたのか、すぐに打ち解けて会話を楽しみ始めました。このあと一行は、浅草や上野、秋葉原、お台場など、東京の名所を見て回りました。街を歩きながら、両国の学生たちの交流も徐々に深まっているようでした。
大学生同士の交流活動は1日だけでしたが、両国の学生はさまざまなことを感じたようです。
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日本人学生も交流の思い出を語る | 「日本の大学生はアルバイトをしていますが、中国はまったくアルバイトをせず、就職が初めての労働経験になると聞いて、かなりびっくりしました。中国の学生はすごく勉強していて、就職する際は会社からの期待も大きいと聞いてびっくりしました。逆に日本は・・・私も就職活動をしていますが、期待されるというより、自分ががんばらなくては伝わらない気がします。就職活動にも違いがかなりあります。でも、就職活動が大変という点は共通していると分かりました」(日本人学生)
「印象深かったのは、中国の学生が、日本の学生のことをあんまり知らないということです。交流がやはり足りないと思います。ここ数日、日本人学生がちゃんとルールを守っていることに気がつきました。また、日本人はサービス意識が強いです。たとえば、『すいません』『ありがとう』などの言葉を良く聞きます」(中国人学生)
「東京大学に行ってきましたが、校門に、『東京大学』という文字が書かれていないことにびっくりしました。日本で一番有名な大学には、赤門だけがありました。その校門が人々に与える印象は、非常に強いと感じました。もう一点、日本はどこでも静かです。ホテルの中で、先生から『大きな声で叫んではいけない』と注意されましたが、日本人の他人へ配慮する習慣はいいと感じました」(中国人学生)
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「お昼は何にしようかな」 |
学生たちはいろいろな場面で中国と日本の違いを感じ、お互いの理解が足りていないことを実感したようです。
今回の日本訪問団の責任者、黒龍江省ジャムス大学外国学院の張鳳傑院長も、今回の訪問を通して、学生たちが互いの違いに気づき、学びあってくれたことが大きな成果になったと語っていました。
「今回の訪問を通して、学生たちにとって日本が身近なものになったようです。学生たちは、自分の目で日本を見たり、自分の耳で日本を聞いたり、自分の心で日本を感じたりしました。どんな国にも優れたところがあります。長所を発揮し、短所を補うことが大事だと思います。学生たちは今回の訪問を通して、視野を広げ、日本の先進的な文化を学びました。また、両国の学生が交流を行ったことで、相互理解や相互信頼が深まったと思います」(張院長)
(取材・写真:付頴 翻訳:任春生)
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