北京
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中国教育部は21日、2025年の全国修士課程大学院志願者数を発表しました。統計によると、2025年の志願者数は388万人で、2024年の438万人と比べて50万人減少し、2023年に比べて86万人減少しました。大学院志願者数が2年連続で減少したことが中国社会で話題となっています。
△自習室で受験勉強に励む大学生
統計データによると、中国の2015年の大学院志願者数は164万9000人で、その後、増加傾向が続き、2022年は400万の大台を突破して457万人に、そして2023年には474万人とピークに達しました。現在、大学院志願者数が減少したことにより、大学院受験の難易度や高学歴の価値、志願者数減少の原因などに注目が集まっています。
実は志願者数が減ったからといって、合格しやすくなったわけではありません。2024年、中国の大学院志願者数は9年ぶりに減少し、前年と比べて36万人減少しましたが、大学院受験の足切りラインと各大学の二次試験ラインはかえって上昇しました。2025年には志願者のうち50万~60万人が受験を断念し、試験を受ける人のうち約200万人が合格できないだろうと予測されています。
中国では就職競争がますます激化する中、ひたすら高学歴を求める現象は依然として存在していますが、そのコストパフォーマンスは急激に低下しています。修士号を取得しても就職が難しく、高学歴を持つ若者もなかなか良い仕事が見つからないことにより、大学生が大学院受験を就職から逃れる道とすることができなくなり、就職における自分の能力を高めることは、高学歴を求めることよりも大事だと認識しています。
中国教育発展戦略学会学術委員会の陳志文委員は、「高等教育が普及するにつれ、短大卒や大卒が増えただけでなく、修士課程修了者も激増している。しかし近年、経済の先行き不安や就職環境の悪化により、高学歴を取得しても必ずしも良い仕事に就くとは限らない。3年ひいてはもっと長い時間をかけて修士課程を修了するより、大学を卒業してこつこつとキャリアを積み上げたほうがコストパフォーマンスが高いと考える人もいる」と分析しています。(ZHL、野谷)
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