北京
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フォーラム会場での青年たちの記念撮影
中華全国青年連合会と日本の内閣府が共催する「中日代表ユースフォーラム」が25日、北京市内で開催されました。今回のフォーラムは人口問題と地域創生における青年の役割をめぐり、両国の青年代表40人が参加し、参加者からは「社会の課題の解決で、中日両国が学び合う必要を強く実感した」という感想が聞かれました。
フォーラムでは、双方の団長を務める中国国際青年交流センターの朱昊煒副主任と内閣府所管の公益社団法人である日本広報協会の別府充彦理事長によるあいさつに続いて、中国の研究者二人による基調講演が行われ、その次には参加者たちのグループディスカッションが行われました。
中国人民大学・宋健教授による基調講演の様子
基調講演では、中国人民大学人口と発展研究センターの宋健教授が中国の人口問題の現状を分析し、人口の質の高い発展を追求する取り組みを紹介しました。
中央民族大学・曲強教授の基調講演から
また、中央民族大学ジャーナリズムとコミュニケーション学院の曲強副院長は、中国の貧困撲滅での取り組みのほか、動画を交えながらSNSが農村振興に果たしている役割、農村部で情報発信する人気ビデオブロガーを紹介しました。
グループディスカッションの様子
日本からの参加者では、名古屋税関勤務の小池秀雅さんは講演から受けた印象について「前提となる知識の違いに驚かされた。地方創生において、中国の農村部に対して積極的に投資する政策は、日本も取り入れねばならないと思った」と話しました。
東京大学学部生の首藤初菜さんは、中国の社会課題の解決について、「日本と共通点が多い一方、違う取り組みも行われていることが興味深かった。人口減少への対応を例に、数だけでなく質も同時に見るという動的な観点は、日本も取り入れる必要を感じた」と述べました。
グループディスカッションの様子
また、中国からの参加者で、訪日した際には「日本の清潔さが印象を残った」という中国農業大学本科生(学部生)の謝徳宇さんは、中国の方が日本よりも農産品の販売でライブコマースが活用されていると述べる一方で、「ブランディングの意識については日本に学ぶべきだ」との考えを示しました。
対外経済貿易大学修士課程の張含さんは、日本について「こども家庭庁の設立をはじめ、少子化問題の解決に向けてのきめ細やかな取り組みに感心した」と述べ、「中日双方はより良い未来に向け、もっとたくさんのことを学び合っていく必要があると実感した」と述べました。
専門家に質問する青年たち
中華全国青年連合会と日本の内閣府が「中日平和友好条約」の締結を記念して、1979年から毎年中日青年交流事業を開催され、同フォーラムはその中の一環です。19日に始まった今年の交流は5年ぶりに対面方式で実施され、北京に先立ち、東京と茨城でも交流活動が行われました。
なお、同交流事業では27日に北京市内の中央民族大学でファッションや二次元文化(動画や画像関連の文化)などについての文化交流会が開催され、28日に全日程を終了するということです。(取材:王小燕、校正:鈴木)
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