中国の次世代スーパーコンピューター「天河」がグラフコンピューティングの省エネで世界一に

　国家スーパーコンピューティング天津センターによれば、中国の次世代スーパーコンピューターシステムである「天河」が、最新発表の国際グラフ500ランキングで、グラフ計算において性能とエネルギー効率を評価する数値が6320.24 MTEPS/Wであることで、ビッグデータ・グラフコンピューティングの効率を評価するビッグデータ・グリーングラフ500（Big Data Green Graph 500）で世界1位になりました。

　グラフ 500ランキングは2010年に初めて発表された、世界のスーパーコンピューターのグラフコンピューティングの性能を評価する最も権威あるランキングで、現在において最も注目されるデータ集約型応用、例えば人工知能やビッグデータ処理などに対しての評価を主に行い、スーパーコンピューターのアクセスと通信性能を十分に反映してスーパーコンピューターのデータ処理能力を直接示すものとされます。

　グラフ500ランキングには多くの項目があります。ビッグデータ・グリーングラフ 500はその一つで、グラフコンピューティングにおけるスーパーコンピューターの電力消費レベルを評価するものです。「天河」は2021年7月に発表された国際グラフ 500ランキングでも受賞しています。

　グラフコンピューティングとは、グラフ構造を中核とするデータ処理と分析の手法であり、複雑なネットワーク、関連モデル、構造化データを研究する重要な手法です。グラフコンピューティングは大規模なデータ分析の需要の増加に伴いビッグデータや人工知能の重要な柱となりつつあり、各国政府や科学研究機関、科学技術企業が注目する新たな研究の焦点です。（Mou、鈴木）