北京
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作業員が崇善寺内の古建築を地質レーダーで検査
中国北部の山西省太原市の崇善寺でこのほど、地質レーダーによる古建築への非破壊検査が行われました。
崇善寺は、隋唐期に創建され、明洪武16年(1383年)に再建されたもので、寺内に現存する大悲殿は国内で保存状態が特に良い明初期の建築物の一つです。大悲殿の北東角に20センチほどの不均一な沈下が観測され、その安全が脅かされています。沈下原因を究明するため、作業員は地質レーダーで地中の状況を調べました。
地質レーダーは医師の聴診器に相当するもので、地中深くに放射した電磁波の反射信号を受信して、空洞や亀裂の有無、大きな岩石の有無を判断します。初期段階での推測によりますと、不均一な沈下の発生は地下水と関係している可能性が高いとのことです。
現存する古建築の数が中国全土の約10分の1を占める山西省は、地震が多発する省でもあります。史料によりますと、省内ではマグニチュード6(M6)以上の地震が21回、M7以上が6回発生しています。同省は近年、地震警報情報共有メカニズムの整備に取り組み、古建築の地震災害リスク評価を行い、地質レーダーによる精密探査などを通じて文化財保護に力を入れています。(朱、柳川)
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