北京
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成熟した地上の田んぼに植えられた「宇宙の稲」
中国有人宇宙船「神舟18号」が11月4日に地球に帰還し、新たな宇宙実験サンプルも地球に戻りました。中国の宇宙ステーションで栽培された「宇宙の稲」の最新科学研究の進展が注目を集めています。
「神舟14号」の宇宙飛行士は、2022年の任務期間に、水稲の種子から種子までの全ライフサイクル培養実験を世界で初めて完了し、成熟した宇宙の稲の種子を収穫しました。宇宙の稲はすでに第3世代まであり、科学研究者が地上に植えた水稲と比較研究を実施したところ、宇宙の微小重力条件下でも水稲の種子の胚の発育は正常で、活力ある次世代を発育できることが分かりました。また、第2世代の株の分げつ数(茎の根元から出る新しい茎の数)は地上対照組より明らかに多かったとのことです。この実験により、活力ある水稲の種を宇宙で収穫することができることが証明されました。
科学研究者は、宇宙で栽培された水稲は、栄養成分も変化し、宇宙の稲はより甘くなる可能性があることを発見しました。
これについて、中国科学院分子植物科学卓越革新センターの鄭慧瓊研究員は、「コメを真ん中で切り、その断面をスキャンして、でんぷんの形状を観察した。糖分の含有量も異なっていた。宇宙から持ち帰った種子は、ブドウ糖とフルクトースの含有量が地上の種子より多く、5~6倍高くなった。またデンプンの含有量にそれほど差はないが、成分には違いがあり、タンパク質の含有量も地上の種子より少し多かった。宇宙の稲でご飯を炊くと、比較的甘くなるはずだ」と述べました。
科学研究者は現段階で、宇宙で水稲を栽培することを実現し、宇宙の稲の種子は地上に戻っても繁殖能力があることを実験で証明しました。今後科学者らは、宇宙食糧の安全保障をめぐりさらに関連する研究を進めていきます。(任春生、榊原)
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