北京
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神舟19号により宇宙に持ち込まれたショウジョウバエ
中国の有人宇宙船「神舟19号」が30日未明、酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、予定の軌道に入り、天宮1号とドッキングしました。神舟19号の乗組員3人と神舟18号の乗組員3人は無事に合流しました。
神舟19号は今回のミッションで、生命科学、流体、燃焼、材料などの実験を実施する予定です。特に生命科学実験では、今回初めてショウジョウバエを宇宙に持ち込み、低磁場環境での成長、発育とその行動を研究します。
地球は磁場のある環境ですが、月には磁場がなく、火星には微弱な磁場があるといわれています。人間が宇宙環境により適応できるようにするためには、宇宙で事前に関連する研究を行う必要があります。たとえば低磁場環境を確立することによって、低磁場と微重力がそれぞれ作用する条件下で動物の行動とその成長発育過程を研究することはその一つとなります。
ショウジョウバエは重要なモデル生物で、体長は小さく3~4ミリしかありません。ライフサイクルが短く、繁殖速度が速く、短期間で大量の子孫を生み出すことができ、染色体数が少なく、遺伝学実験に適しています。また、ショウジョウバエの多くの遺伝子は人間の遺伝子と類似性を持っており、その研究は人間の遺伝疾患に対する認識を得ることができ、人間自身の宇宙での適応性を研究するための基礎を築くことができます。将来的には中国宇宙ステーションでマウス実験も実施する予定で、マウスの宇宙での成長実験や地上で受精させたマウスを宇宙で育てる実験などが含まれます。これらの実験を通じて人間が宇宙で繁殖する可能性を研究します。(ヒガシ、榊原)
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