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中国四川省自貢市で確認された「悪性外来侵入種」のニューギニアヤリガタリクウズムシ
中国中西部の四川省自貢市でこのほど、国際自然保護連合(IUCN)が作成した「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定されているニューギニアヤリガタリクウズムシ(Platydemus manokwari)が確認されました。
「世界の侵略的外来種ワースト100」のレッテルをかぶせられているニューギニアヤリガタリクウズムシはニューギニア島原産で、既に米国、フランス、オーストラリアなど多くの国々に侵入しています。四川省で確認されたのはこれが初めてであり、中国では2012年に香港特別行政区で初めて確認されました。その後2018年以降、広東省などで次々と確認され、徐々に内陸に侵入しており、苗木に付着して運ばれているのではないかと推測されています。現在、内地の複数の省で確認されています。
このような一見目立たない「小さなやつ」は、自然生態系に対して極めて大きな破壊力を持っています。ニューギニアヤリガタリクウズムシは扁形動物門渦虫綱三岐腸目に属し、「マノクワリ扁虫」とも呼ばれ、原産がインドネシア西パプアの西イリアンジャヤ州の州都マノクワリであることから名付けられました。「世界の侵略的外来種ワースト100」に選定された理由は、過去数十年間で太平洋の複数の島々の在来のカタツムリを絶滅させたからです。ニューギニアヤリガタリクウズムシはカタツムリやナメクジなどの陸生貝類を捕食するため、もしナメクジが大量に減少したり絶滅したりすれば、現地の生態環境に連鎖的な影響を及ぼします。ニューギニアヤリガタリクウズムシは低緯度熱帯地域原産で、その初期の影響も主に周辺の太平洋の島々で見られました。現在では、人間の活動に伴って徐々に広がり、より多くの高緯度地域でも発見されています。(非、坂下)
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