北京
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中国科学院(CAS)上海天文台が率いる国際研究チームがこのほど、2017年にケプラー宇宙望遠鏡が公開した恒星測光データから、人工知能(AI)を用いて五つの超短周期惑星を発見することに成功しました。天文学者がAIを使って、疑わしいシグナルの探索と真のシグナルの特定を一度に完了させたのは今回が初めてです。
超短周期惑星は「熔岩の世界」に似ており、公転周期が地球の1日よりも短い惑星で、恒星の周囲を極めて近い距離で公転しており、通常は小型で質量が軽く、表面温度が極めて高いものです。中国科学院上海天文台の葛建教授は、「これらの超短周期惑星の存在は、惑星系の初期進化、惑星と惑星の相互作用、恒星と惑星の相互作用のダイナミクス研究において重要な手がかりを与える」と語りました。
従来の方法で超短周期惑星を見つけるのは極めて難しい上、時間もかかるため、探索効率をいかに向上させるかは、科学者が長年追求してきた目標です。葛教授は、ケプラー衛星が公開した測光データにAIのディープラーニングを当てはめ、ケプラー衛星が従来の方法では見つけられなかった微弱な惑星シグナルの探索を試みました。 研究チームは5年にわたる努力と技術革新により開発に成功した新しいアルゴリズムを使ってAIを訓練し、高精度で高速な探索を実現しました。訓練されたAIは、従来の方法よりも超短周期惑星を捉える感度がはるかに高くなります。このAIの助けを借りて、研究チームは五つの超短周期惑星を発見しました。そのうちの四つは、これまでに発見された中で主星からの距離が最も近い、火星とほぼ同じ大きさの惑星だということです。この新しいアルゴリズムは、国際的に普及している高度なアルゴリズムに比べて探索速度が約15倍向上し、検出精度と完全性がそれぞれ約7%向上したことが分かりました。
葛教授は「私たちは、周期が1日未満から10日、100日、さらには太陽系外の地球を発見するためのいくつかのアルゴリズムを開発した。 第2の地球を探し出すには、人工知能のシグナルを見つける能力を向上させるだけでなく、さまざまなノイズを識別する能力など、多くの課題がある。このような小さな惑星をたくさん見つけることは、地球の形成や第2の地球を探す方法の研究にとっても大きな価値がある」と話しました。(ミン・イヒョウ、坂下)
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