南京市民が関心を寄せていたトビが飛来

2024-10-21 14:39:14  CRI

 20日間にわたる南下で、長いときは15時間連続で飛び、海を越えて3000キロを移動……中国東部の南京市の市民から「鳥の勇士」として親しまれている「トビ5号」がこのほど、越冬のために南京市に飛来しました。

 昨年3月、ある南京市民がケガをして長江に落ちたトビを発見しました。現地の水上警察が救助し、南京市紅山森林動物園野生動物収容救護センターに搬送しました。

 トビは中国では広く分布しており、最もよく見られる猛禽類の一つでもあります。救護センターではこれまでにも多数のトビを救護しており、経験も豊富です。

 救護されたトビは「トビ5号」と名付けられ、昨年4月24日に、小型のGPS装置を装着して自然に戻されました。しかし、これまでに救護された4羽のトビとは異なり、「トビ5号」は南京やその周辺だけでの活動にとどまらず、6000キロを超える移動をしたのです。

 衛星の追跡データによると、「トビ5号」は2023年に自然に戻された後、6カ月の間に山や海、さらには国境を越えて6000キロ以上の移動を終え、無事に南京に戻りました。今回の移動により、南京地区のトビの移動個体群の移動ルートが初めて明らかになりました。

 「トビ5号」は北方で夏を過ごした後、9月22日の朝に南への移動のため旅立ちました。10月3日の朝から「消息不明」の状態が数日間続きましたが、16日午前、南京のバードウオッチャーたちにより再び発見されました。

トビ5号

 なお、消息が途切れた原因は、「トビ5号」が朝鮮半島を北から南に縦断する間はGPSの通信機能が使えなかったためだということです。

 今回の「トビ5号」の移動ルートはこれまでとは異なっており、15時間をかけて550キロ近くにわたって海を越える旅を終え、観測を始めて以来の記録を更新しました。

 「トビ5号」は9日夜、上海の長江河口の九段沙湿地に降り立ちました。

 降り立ったのは南京よりもさらに南の地点でしたが、南京を懐かしむかのように、10日の早朝に上海から西に向けて飛び立つと、蘇州、無錫、常州、茅山を飛び越え、11日の午後2時、ついに慣れ親しんだ南京の長江の上空に戻りました。

 20日あまりにわたる、3000キロの大旅行を経ての飛来となりました。(ヒガシ、坂下)

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