インフルエンサーが上海のある病院に押し寄せて撮影 病院側は「今のところ支障はない」

2024-10-16 10:48:18  CRI

 上海市第一母子保健院(西院)は西洋風のレトロな外観に加え、このほど院内に西洋風のおしゃれなコーヒーショップが設けられたことから、多くのインフルエンサーたちが撮影のために訪れています。一部の市民は正常な診療に影響を及ぼすのではないかと問題視しています。これに対して、同病院の市民サービスセンターの職員は、「コーヒーショップは独立した建物で、現時点では病院の診療に悪影響は及ぼしていない」と答えています。

△病院のコーヒーショップ前で撮影するインフルエンサー

 中国のSNSで確認したところ、多くの利用者が同病院を写真映えするスポットとして推薦し、「西洋風のこぢんまりとした建物と一面に広がる芝生がめちゃくちゃきれい」「99%の人が知らないであろう上海の新しい写真映えするスポット、1秒でヨーロッパにタイムスリップ」などと投稿しています。一方、「このようなコーヒーショップは上海にはよくあるが、病院にあるからこそ珍しい」と冷静に見ている人もいます。

 ネットに公開された写真をチェックしてみると、インフルエンサーたちはコーヒーショップを背景にしてポーズをとったり、院内のベンチに座って撮影したりしているのが確認できます。また、レフ板や三脚、化粧ポーチなど専門の道具を用意し、カメラマンを雇ってここで写真を撮ってもらう人もよく見かけられます。これに対して、一部の市民は不満を口にし、「受診患者がいろいろな思いを抱えて診察室を出た途端、楽しそうに撮影している美男美女を見たら微妙な気持ちになるわ」「院内のベンチや椅子などは患者が休息するためのもので、『観光客』が写真を撮るため置かれているわけではない」「似たような西洋風の建物は上海には他にもたくさんあるので、わざわざ病院に来る必要はない」などの声が上がっています。

 こうした声について、院内に開設されたコーヒーショップの店長は14日、記者のインタビューに答え、「当店は医療関係者や患者およびその家族へのサービス提供を目的として今年1月10日にオープンしました。特に受診までの待ち時間が長い時などには、ゆっくりとくつろいでいただけます」と説明しました。

 それによりますと、店舗は経営者自らがインテリアデザインを行い、病院側の審査を経て病棟と同じような西洋風に統一したということです。前出の店長は、「最近、確かに以前よりも多くの人が訪れていますが、主に撮影目的で来ていて、店の営業収入はあまり増えていません。当店は患者へのサービスが中心なので、撮影はお勧めしません。病院の正常な診療に影響を与えないよう望んでいます」と述べました。(ZHL、坂下)


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