北京
PM2.577
23/19
中国の自動車メーカー吉利汽車傘下で高級電気自動車(EV)を製造販売するジーカーの楊大成副総裁がこのほど、SNSに自社の新車種であるジーカ―・ミックス(ZEEKR MIX)の車内でしゃぶしゃぶを食べる様子を動画投稿したところ、ネットユーザーから「ツッコミ」が殺到しました。
動画では、楊副総裁らが前部座席を180度回転して後部座席と向かい合わせにして、折り畳み式のテーブルに鍋、センマイ、豚肉の唐揚げ、野菜、つけダレ4皿を置きました。楊副総裁はカメラに向かって、「車内は空調がよく効くので涼しくて最高。マージャンもできます」と話しました。
楊氏は投稿した動画に、「製品というものはやはり、ユーザーの真の声を聞かねばなりません。開発段階からユーザーと共に作ったことで、ジーカ―・ミックスはとてもしっかりした車になりました」の文章を添えました。
この製品のPR動画には、多くのネットユーザーが「しゃぶしゃぶやマージャンなどは乗車の際の合理的なニーズではない。ジーカーのマーケティングは間違っていると思う」といったメッセージを寄せました。さらに、「20万キロ以上を運転した経験を持つが、車内でしゃぶしゃぶやマージャンしたいとは全く思わない」「しゃぶしゃぶは必要なし。油煙とか水蒸気などはどうするのだ。車は使い捨てなのか」「染みついたしゃぶしゃぶの匂いはどうやって取るのだ。急ブレーキを踏んだらどうなる」などの意見もありました。
楊副総裁はネットユーザーの書き込みを受けて、再び動画を投稿して、「車内でのしゃぶしゃぶはキャンプの新体験だと思ってよいです。車には高効率の外気送風システムがつけられています。より多くの使用のシナリオは発表会の際にご紹介します」と表明しました。
楊副総裁のPRは、中国の自動車会社が初めて使ったマーケティングの手法ではありません。自動車大手の上海汽車集団(SAIC)傘下のEVブランドである智己汽車の劉涛最高経営責任者(CEO)は以前に、後部座席で餃子を作ったことがあります。智己汽車は今年年初に発表したポスターで、自社の新型ミッドサイズSUVの「智己LS7」の車内でしゃぶしゃぶをする写真を使いました。極石汽車の創業者である昌敬氏はさらに、車内に便器を置いてみせました。
業界関係者からは、「過度の競争状態の自動車業界では、注目度が販売量に密接に関係している。今日では、冷蔵庫、テレビ、ソファーがすでにスマート自動車の標準装備になった。一部の自動車会社は注目を集めるために、マーケティングで故意に話題集めをしている」との指摘があります。(殷、鈴木)
KANKAN特集