北京
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間もなく収穫する「巨大イネ」を見せる現地の農家
「禾下乗涼」(イネの下で涼む)は中国で「ハイブリッド米の父」と呼ばれる水稲育種の科学者、袁隆平氏が一生をかけて追い続けた夢です。今、この夢が中国南西部の雲南省で現実となりました。先日、雲南省楚雄イ族自治州禄豊市平和鎮で試験栽培された50ムー(約3.3ヘクタール)の「巨大イネ」が収穫期を迎えました。1ムー(約0.07ヘクタール)当たりの収量は800キログラムに上る見込みです。
「巨大イネ」は、水稲の「巨人」とも呼ばれ、袁隆平氏が「塩・アルカリ耐性稲」を改良して段階的な成果を上げたのに続き、中国の水稲育種研究分野におけるもう一つの重要な成果です。普通のイネの高さは一般的に1.2メートル前後ですが、「巨大イネ」は2メートルにもなり、しかも収量も良く、1株当たり500~600粒前後の穂が実り、1ムー当たりの収量は800キログラムに上ります。背丈の高さと収量の多さに加え、「巨大イネ」は倒れにくく、病虫害や冠水にも強く、水稲界の「スーパーヒーロー」と言えます。
同時に、「巨大イネ」は茎が太く、栽植密度(単位面積当たりの植え付け株数)が低いため、稲の下の水生生物に良好な生存空間を提供し、水産物の養殖を行うのにも理想的な作物です。「巨大イネ」が植えられた田んぼでマクロブラキウム・ローゼンベルギ(羅氏エビ)や魚を養殖することもできます。田んぼの多目的利用が可能になり、1ムー当たりの収入を上げて農業の持続可能な発展の強力な支えとみられています。(任、坂下)
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