【観察眼】石破内閣発足 中国は両国関係の新たな発展を期待

2024-10-14 12:43:19  CRI

 10月10日、中国の李強総理は東アジア協力首脳会議のために訪問中のラオスで、日本の石破茂首相と初の会談を行った。

 石破氏は今年9月の自民党総裁選期間中、対中政策において強硬な発言をしていた。特に彼が鼓吹する「アジア版北大西洋条約機構(NATO)」構想は、石破氏が政権を握った後に、さらに強硬な立場を取るのではないかと中日両国の人々に懸念されていた。しかし、石破氏は首相就任後、明らかに慎重な姿勢を示すようになり、「アジア版NATO」推進についての発言も控えめで、対中政策においてもより実務的な態度を取るようになった。最近の日本のメディアによると、石破氏は10月17日から19日にかけて開催される靖国神社の「秋季例大祭」に合わせた参拝を見送る方針を固めたという。

 李強総理との会談で石破首相は、「日中両国は現在、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的で安定した二国間関係の構築に努める方向で進んでいる。中国と協力して将来を見据え、ハイレベル交流を強化し、あらゆるレベルでの対話と意思疎通を密接に行い、協議を通じて懸案問題を解決し、互恵協力を引き続き推進し、日中関係を安定的かつ長期的に促進していきたい」と述べ、「日本は中国との『デカップリング』をする意図は全くない。各分野で実務協力を深め、日中関係発展の成果を両国民により多くの恩恵をもたらすことを望んでいる」と強調した。

 また10月9日、中国の王毅外交部長は日本の岩屋毅新任外相と電話会談を行った。岩屋外相は、「日本の新内閣は日中戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的で安定した二国間関係の構築に尽力していく」と表明した。これについて王外交部長は、「日本の新内閣と岩屋外相が、中日関係の安定的な発展への積極的なシグナルを出していることを中国は評価している」と述べ、「中日両国は一衣帯水の隣国であり、互恵協力と共同発展は両国人民の根本的利益に合致している。中国は日本の新内閣が新たな展望を示し、中日関係に新たな発展をもたらすことを期待している。双方は歴史を鑑とし、妨害を排除し、戦略互恵関係を包括的に推進し、新たな時代の要請に応える建設的で安定した二国間関係を構築していくべきだ」と強調した。

 戦略的互恵関係を全面的に推進するという中日関係の位置づけは、岸田文雄内閣時代に中日両国政府が達成した重要な共通認識である。石破首相とその閣僚もこの表現を踏襲し、新内閣が両国関係の安定的な発展を目指すというシグナルを発信している。ただし、石破内閣が現在描いている対中政策が果たして最終的な形であるのか、長期的かつ安定的に実施できるのか、その形を崩すことなく実施していけるのかについては、慎重に見極める必要がある。

 これについて専門家は、「石破首相はこれまでに多くの中国経験があり、中日両国の経済相互依存度が極めて高いこと、そして安定した二国間関係が両国ひいては東アジア地域の繁栄と安定にとって極めて重要であることを十分に理解している。今後の中日関係は石破首相の外交政策の調整はもちろん、中米戦略競争にも影響されるだろう。特に米大統領選挙で新政権が発足した後に、石破氏が対米・対中関係の間でどのようにバランスを取るかが注目される」と分析している。(CMG日本語部論説員)

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