北京
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中国の上海小児医学センター心理衛生チームと上海交通大学心理学院が共同で「空間・数学学習障害外来」を設立したことが最近、話題となっています。同外来は10月8日にオープンし、数学や物理学、化学などの学習が困難な児童や学生にサービスを提供します。
「空間・数学学習障害外来」は特別支援外来であることから診察料は通常の外来よりやや高い316元(約6300円)ですが、現在、診察の予約はすべて埋まっています。この動きについて、子どもの教育に不安を感じる一部の保護者が払った「IQ税(知識や判断力が足りないことによる行動という意味)」だと考えるネットユーザーもいます。
同外来の紹介によれば、空間認知能力と数学的能力、とりわけ幾何学の問題を扱う場合には明らかに関連性があり、数学の学習が困難な子どもは、図形の空間関係を理解するのが難しい場合がよくあります。神経映像学の研究によると、幾何学の問題の成績が良くない児童や学生は、空間処理能力と密接に関連する脳の頂頭葉の働きが少ないことが明らかになっています。空間認識や想像力の欠如による障害は、算数、幾何学、物理学、化学の学習に影響を与えます。この能力が損なわれた子どもたちは、心理学における「心因性視覚障害」のような、頭の中で画像を「見る」ことが困難な状態となります。これを踏まえ、同外来はこれらの問題を正確に評価・解決し、子どもたちの空間的思考と想像力の向上と、学習障害の改善を目指しています。
首都小児科研究所の「学習障害外来」
こうした外来は近年、北京市、上海市、江蘇省などの複数の都市で開設されています。このうち、北京市の首都小児科研究所の「学習障害外来」は2022年5月の開設以来、年間8000人以上の患者を診察しました。同研究所の付属小児病院保健センターで副主任を務める張麗麗医師によると、患者が診察を受ける際、医師は通常、数学学習障害に至った具体的な原因を特定するため、まず専門的な評価と検査を行います。ほとんどの子どもは一般的な知能レベルに達していますが、空間の認知や論理的思考、デジタル情報処理などの一部の分野で障害を持っている場合があります。医師は診断された問題に対して、普通の子どもとの差がさらに拡大しないように具体的なトレーニングと介入方法を提供しています。(Mou、MI)
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