北京
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中国東部の浙江省嘉興平湖市にある浙江省エネルギーグループ嘉興発電所にこのほど、大量のクラゲが襲来し、冷却用の海水浄化装置のヒューズが頻繁に飛び、従業員たちは毎日クラゲと闘っているそうです。
嘉興発電所は浙江省嘉興平湖市にあり、中国東部地域では最大の火力発電所です。最近、大量のクラゲに襲われ、発電所の冷却システムの14台の循環ポンプが過負荷のために度々遮断(トリップ)されており、中でも2号循環ポンプ室は被害が比較的深刻で、現場の30人の職員はクラゲを捕まえることが主な仕事になっています。
クラゲを捕まえている職員
火力発電所の循環ポンプ室は海辺に建てられ、海水をくみ上げて発電ユニットを冷却する役割を果たしています。クラゲが大量に襲来したため、循環ポンプ室の自浄システムでは対応が難しく、従業員は冷却水が詰まるのを防ぐために、三交替制勤務の24時間体制で回転フィルターの前でクラゲを除去せざるを得ません。18日から25日までの1週間で、合わせて約5250袋、105トンものクラゲを捕獲しました。
発電所の修理・メンテンナンス部の責任者習超氏によると、毎日少ない場合は400~500袋、多い場合では1000袋以上のクラゲを片付けているそうです。クラゲは袋に入れられ、短時間保管するとすぐに腐って悪臭を放ち始めるため、生ごみとして処理するしかありません。あまりにも量が多すぎて、地元のゴミ処理施設も対応しきれませんでした。クラゲは多くの種類が混ざっていて、どれが食べられるものなのか区別することもできず、食品加工工場に引き渡すこともできませんでした。
伝えられたところでは、平湖市の漁民が火力発電所の周辺でクラゲの捕獲作業を行っているそうです。27日夜には、嘉興発電所の従業員から、監視データではクラゲの数は減っており、漁民の捕獲作業が大きな効果を上げているとの声が寄せられました。
浙江海洋大学水産学部で講師を務める田闊氏は、「気候変動、海洋酸性化、海水の富栄養化などがクラゲの大量繁殖を招いている原因だと考えている。東海海域についていえば、クラゲが大量に発生する主な要因は海水温と塩分濃度であり、先日来、数回の台風が通過したこともあってプランクトンの量が増えているため、この海域でクラゲが爆発的に増えている」と分析しています。(任春生、坂下)
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