北京
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「海に眠った宝物―南海西北陸坡1号2号沈没船考古学的調査特別展」が27日、中国南部の海南島にある南海博物館で始まりました。
南海西北陸坡の1号、2号の沈没船遺跡は中国の2023年度の全国考古学十大新発見の一つにも選ばれました。埋蔵文化財の数は多く、種類も豊富であり、歴史学、科学、芸術上の極めて大きな価値があるとされています。なお、「陸坡」とは大陸棚の端から深海底に伸びる斜面のことです。
今回の特別展示会では南海西北陸坡1号、2号の2カ所の沈没船遺跡から引き揚げられた文化財408点(セット)と北京にある故宮博物院などから借用した文化財34点(セット)の計442点(セット)が展示されています。展示会では考古学的調査や発掘過程、発掘における技術の応用や成果も全面的に示され、来場者を「没入型の深海考古の旅」にいざないます。
出展品の目玉は計13点(セット)の彩釉磁器です。考古学調査で彩釉磁器が発見されることは極めて珍しいとのことです。1号沈没船から引き揚げられた色鮮やかな彩釉磁器は沈没船からは初めて発見されたものです。これらの考古学上の新発見は、明代(1368〜1644年)中期に景徳鎮(江西省)の彩釉磁器が海外に輸出されたことを証明し、窯跡を探し、文化財の出所を明らかにするための実物資料を提供しました。また、「丙寅年造」と記された紅緑彩の碗により、1号沈没船が明代の正徳年間(1506〜1521年)に使われていたことが分かり、南海交易航路の研究に重要な手がかりが提供されました。(ZHL、鈴木)
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